◆第19回ヴィクトリアマイル・G1(5月12日、東京・芝1600メートル)
第19回ヴィクトリアマイル(12日、東京・芝1600メートル)の考察「血統編」は担当の山下優記者がフィアスプライドに注目した。
本日は血統面から探っていく。全兄に18年のマイルCS勝ち馬ステルヴィオがいるウンブライルは、適性の面からも上位評価ができる。ただ、ヴィクトリアマイルは波乱傾向があり、馬券妙味がありそうなフィアスプライドに注目した。
祖母ストームソングは96年のBCジュベナイルフィリーズとフリゼットS(ともにダート1700メートル)のG1を2勝し、米2歳女王に輝いた。初子のアナザーストームは、16年のゴールドC(芝4000メートル)など欧州のG1を3勝した名ステイヤー、オーダーオブセントジョージの母。3番目の子がフィアスプライドの母、ストロベリーフェアだ。
その4番子で本馬の姉ミッドサマーフェアは、12年のフローラSを勝利。一つ上の全姉、ソフトフルートは20年の秋華賞で3着に入っている。牝馬が好成績を収めているファミリーで、重賞で通用する底力と、タフな府中の長い直線を走り切るスタミナは十分。
父系は文句なし。今回唯一の産駒出走となるディープインパクト。このレースで過去10年、サンデーサイレンス系は7勝、2着7回と圧倒的で、なかでも父の産駒は14年ヴィルシーナ、18年ジュールポレール、21年グランアレグリアと3勝、2着4回。1分30秒台の決着(19年、20年)もあるほど時計が速くなりがちなだけに、サンデー系の持つ切れ味が有利に働く。母系、父系ともベストの東京マイルで一発の可能性は十分ある。(山下 優)