◆マーメイドS追い切り(6月13日、栗東トレセン)
第29回マーメイドS・G3(16日、京都)の出走馬が13日、確定した。アリスヴェリテは栗東・坂路で木曜追い。荒れ始めた馬場をものともせず、単走で好時計をマークと状態の良さをアピールした。初コンビとなる永島まなみ騎手(21)=栗東・高橋康厩舎=は10度目の重賞挑戦。50キロの軽ハンデを生かした積極策で初タイトルを目指す。枠順は14日に決まる。
最後まで勢いは衰えなかった。重賞初制覇に挑むアリスヴェリテが、徐々に荒れ始めた栗東・坂路の馬場を苦にすることなく、単走でシャープなフットワークを披露。51秒8―12秒1と上々の時計をマークした。「10キロ増の前回は馬体もふっくら見えたし、今回も順調にきた。やる気に満ちあふれている」と柴田助手は状態の良さに納得の笑みを浮かべた。
近3走でコンビを組み《1》〈2〉《1》着と結果を出していた柴田裕が、先月28日の調教中に右足首を骨折。中竹厩舎所属のルーキーのアクシデントで、白羽の矢が立ったのが永島だ。10度目の重賞挑戦は調教にも乗っていない“ぶっつけ本番”になるが、過去のレースで特長は把握済み。「前走もハイペースで粘っていました。勝負根性もあると思う」と永島は好イメージを持つ。
その前走は、前半1000メートル56秒8と驚異のハイラップを刻みながら逃げ粘り、1分57秒8と勝ち時計も優秀だった。今回は格上挑戦だが、2歳時にはアルテミスSで、昨年の3冠牝馬リバティアイランド(2着)と首差の3着と重賞級の能力も証明済み。前走からさらに3キロ減の軽量50キロなら、再度の逃げ切りがあっても驚けない。
「いいスピードを持っていますし、ハンデもいい方に出てくれると思います。この馬らしいレースができれば」とまなみ。「スタートがうまくいけば逃げてほしい。斤量も軽いし、それを生かしてくれれば」と柴田助手も手綱さばきに期待する。
今年はここまで、女性騎手トップの18勝。節目のJRA通算100勝まであと4勝に迫っている。「道中で脚をためながら我慢させるなどの技術を磨いていきたい」と現状に満足せず、さらなる高みを目指す永島。“代打”で一発を放ち、初夏の淀でまなみんスマイルを咲かせる。(戸田 和彦)