北海道新ひだか町静内の北海道市場では、セレクションセールが22日から始まった。今年は24日までの3日間開催とし、初日はさらに選りすぐりの馬が上場されるプレミアムセッションを導入した。
プレミアムセッションは140頭の上場が予定されたが、6頭が欠場。134頭のうち127頭が落札。売却総額は32億6600万円(金額はすべて税別)、売却率は94.78%と前年の初日と比較して約3億円を上回る活況となった。
この日の最高額は、21年JBCレディスクラシックを制したテオレーマの半弟にあたるスターズアラインド2023(牡、父キズナ)の1億円で、坂口直大氏が落札した。セレクションセールでは、01年の母プレシャスキール(牡、父サンデーサイレンス)が記録した1億7000万円に次ぐ高額取引馬となった。また、テオレーマの初子もプレミアムセッションに上場され、コントレイル産駒の牡馬で注目度も高く、7800万円でエンジェルレーシング(株)が落札した。
コントレイル産駒を上回る、新種牡馬の最高額を記録したのは、エスミラクル2023(牡、父フィレンツェファイア)の8400万円で、竹園正継氏が落札。全体でも、現時点で2番目の高額取引馬だ。祖母が15年チャンピオンズCを優勝したサンビスタ。母の初子だが、馬格に恵まれて比較展示でも人気を博していた。父は、17年シャンペインS(米G1)など2歳から活躍し9つのタイトルを手にしたトップスプリンター。21年フォアゴーS(米G1)で、ヤウポンとの直線の攻防でかみついたことでも有名となった。個性的な種牡馬の初年度産駒から、注目馬が誕生した。
2日目は177頭が上場され、157頭が落札。売却総額は23億5750万円、売却率は88.7%を記録した。この日は8000万円で落札された2頭が最高額となり、現時点では全体の3位タイ。ゴールドチェイス2023(牡、父ドレフォン)は、今年の韋駄天Sを制し、アイビスサマーダッシュで有力視されているチェイスザドリーム(牝5歳、栗東・矢作厩舎)の半弟で、岡本真二氏が落札した。
そして、レインオンザデューン2023(牝、父オルフェーヴル)は、21日札幌5Rで衝撃のレコード勝ちを収めたキングスコール(牡2歳、栗東・矢作)の半妹。その直後の上場で人気を博し、キングスコールと同じく合同会社DMM.comが落札。現時点での牝馬最高額となった。
活況が続くセレクションセールは、24日が最終日。この模様は、グリーンチャンネルやYouTubeでもライブ中継される。(競馬ライター)