今週の出走馬が１日確定し、落札価格３億円の超高額馬、ジェゼロ（牡、栗東・須貝厩舎）がデビュー。新種牡馬サートゥルナーリア産駒でＧ１馬ステルヴィオを兄に持つ良血馬が、活躍馬を多数送り出す夏の新潟で初陣を迎える。ダート２重賞が行われる週末は、新潟・ダート１８００メートルの新馬戦（３日３Ｒ）も注目。砂の中距離に狙いを定めた若駒が顔をそろえる。
大物の予感が漂う。４日の新潟３Ｒ・２歳新馬（芝１８００メートル）でデビューするジェゼロは、２２年のセレクト当歳セールで金子真人ＨＤが３億円もの高値で落札したサートゥルナーリア産駒の牡馬。現在も同セールでの同産駒最高価格で、上のきょうだいに１８年のマイルＣＳを制したステルヴィオ、昨年のＮＨＫマイルＣ２着のウンブライルなど多くの活躍馬を持つ。「完成度の高い馬。気の勝ったところはあるが、まだこの時期。体は全く問題ない」と須貝調教師は毛づやも張りもいい青鹿毛の馬体を頼もしそうに見つめる。
丹念に乗り込んだ。春先から「素晴らしい馬」と声を弾ませていた須貝師は大切に育ててきた。４月に早々とゲート試験に合格したが、成長を促すために約２か月放牧へ出すと、馬体は明らかにたくましさを増した。ここまで栗東で計２か月も調教を行い、坂路で３本、ＣＷコースで６本の追い切りを消化。しっかりと態勢を調えてきた。
今週はＣＷコースで実戦でも手綱を執る川田が２週連続となる騎乗。ウィルサヴァイブ（２歳新馬）を３馬身半追走すると、大きなフットワークで余力十分に１馬身先着した。時計も６ハロン８３秒４―１１秒５と上々だ。見届けた須貝師は「いいね」と笑みを浮かべたあと、「無理せず、追ってないしね。動きとしては十分」とうなずいた。日増しに高まる期待感。今年も夏の越後路でスター候補が産声を上げる。（山本 武志）
◆主な夏の新潟デビューのＧ１馬 オルフェーヴル（１０年）、ジャスタウェイ（１１年）、リスグラシュー（１６年）、アーモンドアイ（１７年）、ラッキーライラック（１７年）、スターズオンアース（２１年）、イクイノックス（２１年）、リバティアイランド（２２年）
【注】リスグラシュー、アーモンドアイ、スターズオンアースは２着。他はすべて１着。
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