【セントウルS】トウシンマカオがスプリンターズSへ視界良好 苦手な左回り克服し末脚爆発V 

外から差し切ったトウシンマカオ(手前、カメラ・渡辺 了文)
外から差し切ったトウシンマカオ(手前、カメラ・渡辺 了文)

◆第38回セントウルS・G2(9月8日、中京・芝1200メートル、良)

 サマースプリントシリーズ最終戦の第38回セントウルS・G2は8日、中京競馬場で行われ、2番人気のトウシンマカオ(菅原明)がV。スプリンターズS(29日、中山)での悲願のG1制覇へパワーアップした姿で始動した。

  課題を克服してみせた。トウシンマカオはソロッとスタートを出て、勝負どころも外、外を進出。直線はじわじわ差を詰め、残り200メートルで左手前に替えると持ち前の末脚に点火した。菅原明は「左回りでの実績があまりなく半信半疑でしたが、調教では(左回りでも)走っていました。きょうは反応してしっかり脚を使ってくれた」と振り返った。

 上がり3ハロンは2位タイの33秒1。この日も右だけチークピースを着用。古馬になってから左回りの重賞では4戦して4着が最高だったが、成長した姿を誇示した。

 今の中京の芝は前が有利で、鞍上は「外枠で難しい競馬になると思っていました」と指摘したが、結果的には「(もまれず)大きく走らせた方がいいタイプですからね。どの競馬場でも外枠で結果が出ています」と功を奏した格好だ。

 相棒は今年3月のオーシャンSを勝ったが、自身は直前に虫垂炎になり騎乗をキャンセルした経緯があった。若武者は「また依頼していただいて関係者に感謝しかありません。きょうはG1が目標で、やや余裕がある仕上げでした。まださらに良くなると思いますし、いい状態で(本番に)いけると思います。頑張りたいです」と宝塚記念以来の重賞Vに笑顔が弾けた。

 スプリント戦はG33勝で、今回G2初制覇。この後は、優先出走権を獲得したスプリンターズSへ。これまでG1(高松宮記念)は2度挑戦して15、6着だが、高柳瑞調教師は「きょうもやや外に張り気味でしたからね。右回りの方がいいのは間違いありません」とオーシャンSを勝った舞台を歓迎する。父ビッグアーサーも5歳時にG1初V。「精神面はドッシリしてきました」と、香港馬も参戦する大一番を前に「マカオ」が完成期に入った。(玉木 宏征)

◆トウシンマカオ 父ビッグアーサー、母ユキノマーメイド(父スペシャルウィーク)。美浦・高柳瑞樹厩舎所属の牡5歳。北海道新ひだか町・服部牧場の生産。通算成績は19戦7勝。主な勝ち鞍は22、23年京阪杯・G3、24年オーシャンS・G3。総獲得賞金は2億9266万9000円。馬主は(株)サトー。

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