9月7日から秋競馬に突入した。夏の新潟開催は9月1日に終了したが、今年の最も大きな変更点といえば、暑熱対策が導入されたことだろう。その初日には新潟競馬場で取材をしたが、パドックを一般開放した「パドックウォーク」など、ファンの反応がおおむね好意的だったのが印象的だった。しかし、メインレースが暑い時間帯に“据え置き”のままなど課題も多い。来年以降にどれだけ改善されるか注目したい。
その新潟を主戦場にした藤田菜七子騎手に今夏を振り返ってもらった。「勝たせ切れないレースが多く2着が多かった印象ですね。悔しいし申し訳ない気持ちです」と反省の弁が口を突いた。確かにこれまで自身が挙げた勝利の半数近くを挙げる好相性の舞台で、今年はわずかに1勝。【1・4・2・21】では満足いく成績とは言い難い。だが、勝ったウヌボレヤサンは12番人気だったのをはじめ、12番人気キタノライブリーが2着、開催ラストの千直(雷光特別)では7番人気ティーラミレスで連対を確保。他にも開催初日には単勝万馬券の12番人気ジョブックノワを3着に導くなど波乱を演出した。夏の新潟に限れば、単勝回収率370%、複勝回収率も221%と結果的に買い続ければ“プラス”。記者も取材の感触から、わずかながら恩恵にあずかることができた。「(勝ち切れない)そういうところを減らして、しっかり勝ち切る競馬がしたい」と気を引き締め直していた27歳。最近は、めりはりを利かせたレースが目立つだけに、今後もおいしい馬券にありつけるかもしれない。(中央競馬担当・石行 佑介)