【オールカマー】レーベンスティールが名手・ルメール騎手と重賞3勝目「G1レベルにいけます」天皇賞・秋など視野

内から力強く伸びたレーベンスティール(手前)が重賞連勝(カメラ・池内 雅彦)
内から力強く伸びたレーベンスティール(手前)が重賞連勝(カメラ・池内 雅彦)
プレゼンターの戸塚純貴(左)から祝福されるルメール
プレゼンターの戸塚純貴(左)から祝福されるルメール

◆第70回オールカマー・G2(9月22日、中山・芝2200メートル、良)

 中山競馬場で行われた第70回オールカマー・G2はレーベンスティール(ルメール)が断然の1番人気に応える重賞3勝目を挙げた。

 包囲網を巧みに内からこじ開けた。好位から抜群の手応えで4角を迎えたレーベンスティールだが、左前方にサヴォーナ、左にはステラヴェローチェの徹底マーク。前方も壁になり進路を失いかけたが、百戦錬磨のルメールは「内側は馬がよく走っていますし、内のルートを選びました」と決して慌てない。内ラチ沿いに進路を確保し、最後は格の違いを見せつけるような力強い末脚で、逃げ粘るアウスヴァールから半馬身前に出たところが重賞連勝のゴールだった。

 1・5倍の圧倒的な1番人気に応えて手にした重賞3勝目。田中博調教師は「4角ではヒヤヒヤでした」と振り返ったが、3週連続重賞Vの名手は「G1レベルにいけます。逃げた馬はマイペースでゴールの少し前まで先頭にいましたが、いいリードホースでしたね」と涼しい表情だった。

 馬体重は2キロ増でも、肉体は大きく成長を遂げていた。トレーナーは「パワーアップしているぶん、前進気勢は増すだろうと思っていた」の見立て通り、前走から400メートルの延長で道中ではやや行きたがる面を見せていた。昨年のセントライト記念を勝っていても、指揮官は「その意味で中山2200メートルは合っていると思っていない」。ベストの舞台ではなくても力の違いでねじ伏せた。

 ルメールはこの勝利でオールカマー騎乗機会3戦3勝。昨年のローシャムパークに続き、田中博師とのタッグで連覇となった。トレーナーは「東京1800メートルや2000メートルはパフォーマンスを出せる舞台だと思う。大きいところを勝ちたい」と今後は優先出走権を獲得した天皇賞・秋(10月27日、東京)などG1を視野に入れる。母の父がトウカイテイオーで希少な血を紡ぎ、ファンの間でイケメンぶりも話題に挙がる4歳牡馬が完全開花の時を迎えた。(石行 佑介)

◆レーベンスティール 父リアルスティール、母トウカイライフ(父トウカイテイオー)。美浦・田中博康厩舎所属の牡4歳。北海道日高町・広富牧場の生産。通算成績は10戦5勝(うち海外1戦0勝)。総獲得賞金は1億9574万6000円(うち海外0円)。主な勝ち鞍は、23年セントライト記念・G2、24年エプソムC・G3。馬主は(有)キャロットファーム。

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