【スプリンターズS】秋のG1開幕戦は高松宮記念に続き参戦する香港の刺客に注目 走り慣れた右回り&鞍上モレイラで今度は押し切る!

2度目の来日となった香港の刺客ビクターザウィナー
2度目の来日となった香港の刺客ビクターザウィナー

◆第58回スプリンターズS・G1(9月29日、中山競馬場・芝1200メートル)

 いよいよ始まる秋のG1開幕戦、第58回スプリンターズSは29日、中山競馬場の芝1200メートルで秋の短距離王座を巡る争いだ。宝塚記念で◎ブローザホーンを導き出した「考察」も、担当記者の狙いがより生きる形にパワーアップして再開。先陣を切る坂本達洋記者は、春秋連覇の懸かるマッドクールに昨年の覇者ママコチャ、新星サトノレーヴも加わる混戦の見立て。「プロローグ」は高松宮記念に続き参戦する香港馬に注目した。

 今年に限らず、スプリンターズSは群雄割拠の混戦という印象が強い。20年の覇者グランアレグリアは、本来はマイルで絶対的な強さを誇り、能力の違いでスプリントでも通用した名牝だった。一方で22年は8番人気のジャンダルムが激走して番狂わせを演出。昨年の覇者で最優秀スプリンターに輝いたママコチャも、今春の敗戦もあって、あくまで有力馬の一頭にすぎないとみている。

 そこで目を引くのは6年ぶりに参戦してきた外国馬の2頭だ。特に今年の高松宮記念で3着に好走したビクターザウィナーは、モレイラを鞍上に確保しての再度の来日で勝負気配を感じる。地元の香港と違う左回りコース、経験の少ない重馬場というハンデがあったなかで、スピード全開の逃げはスプリント王国の刺客という面目が立つ走りだった。自分が本命を打っていただけに、最内を突いた上位2頭との進路取りの差の“タラレバ”を言ったら切りがないのだが…。

 記者が中山で追い切りを取材した17年のブリザードは、G1勝ちの実績もなかったため、正直言って「どこまでやれるのかな」と軽く評価していた。それが連覇を飾ったレッドファルクスから0秒2差の5着まで食い込んだのだから、改めて香港馬のレベルの高さを感じた記憶が強い。過去に香港勢は05年のサイレントウィットネス、10年のウルトラファンタジーが勝利を挙げており、今年のビクターザウィナーも同じく、走り慣れた右回りコースで前、前から押し切る戦法。まずは意欲の来日に敬意を表して主役候補と考えたい。(坂本 達洋)

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