◆第26回ジャパンダートクラシック・Jpn1(10月2日、大井・ダート2000メートル、良)
今年から大幅な路線改革となった3歳ダート3冠最終戦、第26回ジャパンダートクラシック・Jpn1は2日、大井競馬場のダート2000メートルで15頭(JRA7頭、地方8頭)によって行われ、JRAのフォーエバーヤング(坂井)が圧倒的1番人気に応えてJpn1・2勝目。次走の米G1・ブリーダーズCクラシック(11月2日、デルマー競馬場)へ弾みをつけた。東京ダービー馬で2番人気のラムジェットは伸びを欠いて4着に終わった。
ダート新時代の世代最強を堂々と証明した。フォーエバーヤングがウィニングランでスタンド前に戻って来ると、“瑠星コール”が沸き上がり、坂井は右拳を上げて大歓声に応えた。単勝1・7倍の1番人気に見事に応えた鞍上は「ホッとしました、すごく。負けられないと思っていたので」と勝利の汗をぬぐった。
最内の1番枠からつまずき加減のスタートでヒヤッとさせたが、すぐに立て直して好位2番手へ。直線の入り口で逃げたカシマエスパーダをとらえて先頭に立つと、最後もミッキーファイトの猛追を1馬身1/4差で振り切って、2分4秒1の好時計で完勝だった。初黒星を喫した前走のケンタッキーダービー(3着)以来だったが、鞍上は「アメリカで悔しい思いをしていたので、本当にそのリベンジをという気持ちは強いので」ときっぱり。ブリーダーズCクラシック・米G1へ弾みがついた。
矢作調教師にとって大井競馬場は、今年3月に亡くなった父・和人さんが厩舎を構えて、自身も幼い頃から馬に親しんだ思い出深い場所だ。記念すべき“初代王者”となり、指揮官は「やはり生まれ育った場所で、ジョッキーもそうですけど、とにかく思い入れの強い競馬場。大井を盛り上げたい思いで参戦したので、結果を出せてうれしいです」と、感慨深げだった。
同じ藤田晋オーナーのシンエンペラーで挑む今週末の凱旋門賞へ、チーム矢作にとってこの上ない追い風だ。「アメリカで勝ちにいきたいですし、明日からフランスに行って凱旋門賞も控えてますので、そこも勝てるよう頑張りたい」と坂井。大井の夜空から世界中へ夢は羽ばたいていく。(坂本 達洋)
◆フォーエバーヤング 父リアルスティール、母フォエヴァーダーリング(父コングラツ)。栗東・矢作芳人厩舎所属の牡3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算7戦6勝(うち地方3戦3勝、海外3戦2勝)。総獲得賞金は4億3417万8100円(うち地方1億4700万円、海外2億7997万8100円)。主な勝ち鞍はJBC2歳優駿・Jpn3、全日本2歳優駿・Jpn1(23年)、サウジダービー・G3、UAEダービー・G2(ともに24年)。馬主は藤田晋氏。