◆秋華賞追い切り(9日・美浦トレセン)
牝馬3冠最終戦の第29回秋華賞・G1(13日、京都)の追い切りが9日、東西トレセンで行われた。オークス馬のチェルヴィニアは美浦・Wコースの3頭併せで躍動。桜花賞時に栗東滞在調整で13着に敗れたことを踏まえ、“ホーム”で仕上げられ、動き1位のG評価を得た。
完璧なデモンストレーションだった。オークス馬チェルヴィニアが、2冠へ万全をアピールした。追い切りは、激しく雨が降り続くなか、美浦・Wコースでティファニードンナ(4歳1勝クラス)、セブンマイスター(3歳1勝クラス)を前後にしてスタートした。
道中は高い集中力を発揮し、抜群の手応えで前を追うと、直線は2頭の真ん中でプレッシャーをかけられながらもバランスを崩すことなく鞍上の指示に瞬時に反応。馬なりのまま6ハロン83秒6―11秒7をマークし、併入してみせた。木村調教師は「今週は競馬が控えているので実戦に近いイメージでやりました。折り合いだとかゴールに向かって頑張る意識を確認しました。追い切りが終わった後もトラブルなく過ごせているなと感じています」と納得の表情だった。
2冠に向けて“ホーム”で土台を作り上げてきた。栗東に滞在した桜花賞は13着に敗れた。それを踏まえ、トレーナーは「結果が出なかったので改めなければならないということ」と関西圏の競馬でも自分の庭で調整することを決断。中間は、3週連続で7ハロン以上の長めから追い切りを行うなど、慣れているストレスのない環境で、ぎりぎりを攻めながら愛馬をさらなる高みへと導いてきた。「いい状態でずっと秋を過ごすためにはこの期間を使ってボトムアップというか、健康状態をまずは底上げして基礎固めした」と意図を説明した。
オークスからの直行は、過去10年で5勝を挙げている今の“トレンドローテ”。データも後押しに進化を加えたオークス馬が、盤石の態勢を整え、2冠を奪いにいく。(松末 守司)
◆ルメール「瞬発力がすごくいい」
―G1初制覇となったオークスを振り返って。
「素晴らしい脚を使ってくれた。桜花賞(13着)は残念だったけど、絶対オークスでいいパフォーマンスができると思った」
―5か月ぶりの実戦で、中間は一度も乗っていない。状態をどう見るか。
「木村厩舎をよくトラスト(信頼)しているので、いいコンディションで秋華賞に行くと思う」
―G1連勝に向けての意気込みを。
「いいポジションを取れるし、乗りやすい馬。瞬発力がすごくいい。勝つ自信を持てる」