◆チャンピオンズC追い切り(27日・栗東トレセン)
第25回チャンピオンズC・G1(12月1日、中京)の追い切りが27日、東西トレセンで行われた。フェブラリーSの2着馬ガイアフォースは栗東・坂路で半年のブランクを感じさせない絶好の動きを披露した。
気持ちよさそうに、白いたてがみをなびかせた。ガイアフォースは栗東・坂路で単走。長岡が全く手綱を動かさなくても、高く上げた前肢から確かな推進力が伝わる。弾むようなフットワークに首を大きく使ったフォームでラスト1ハロンの急勾配になってから、さらに加速。51秒6―12秒0の好時計をマークした。杉山晴調教師は「見ていてもすごい躍動感があり、非常にいい動きだったなと思いました」と満足そうにうなずいた。
今回は半年ぶりの実戦。レースの1か月前に帰厩すると、6日には早くも52秒6を出した。1週前の20日には手綱を動かされ、49秒8と初めて50秒を切る自己ベスト。「今まで痛かったところが完全に消えて、それが調教の動きにもすごい反映されている。そのぶん、加減なく負荷もかけてきました」と説明する。
しかし、今週は馬なりでまとめた。このメリハリの利いた調整は同じ杉山晴厩舎でスプリンターズSを制したルガルと同じだ。約6か月ぶりの復帰戦だった4歳馬も1週前に50秒9と強い負荷をかけ、当週は53秒1で整えた。「どのレースであれば一番勝つチャンスが大きいのかと考えたうえでの今回の参戦です」と杉山晴師。当時と同じように狙いすました一戦で、成功体験を踏襲した格好だ。
万全の仕上げに、人馬の絆も後押しとなる。今週も含め、4週連続で追い切りに長岡が騎乗。ひと追いごとに上向く調子を手綱越しに感じてきた。「思っている時計よりも速い時計が出ていたので調子がいい証拠。この馬でG1勝ちたいなと思っています」。重賞勝ちは芝のセントライト記念だが、初ダートだった今年のフェブラリーSで2着に好走。砂上でも一線級相手と互角に渡り合える力は示している。人馬の熱い思いを乗せた6度目のG1挑戦。悲願成就の時はきた。(山本 武志)