【天皇賞・秋 古馬に挑んだ3歳馬(3)】惜敗も名勝負演じたジェニュイン&ディープスカイ

ジェニュイン(奥)は鼻差の惜敗
ジェニュイン(奥)は鼻差の惜敗

◆第160回天皇賞・秋・G1(10月27日・芝2000メートル、東京競馬場)

 <95年ジェニュイン>

 その年のクラシック勝ち馬が初参戦したのが、95年のジェニュインだ。皐月賞を制した世代トップレベルの一頭だったが、日本ダービーでは2着。当時管理していた松山康久元調教師と主戦の岡部騎手は、菊花賞の3000メートルという距離適性に懸念があったため、同馬を所有する社台レースホースの吉田照哉代表と相談した結果、秋シーズンは天皇賞・秋を目標に置くことになった。

 秋の始動戦は京王杯AHで2着。毎日王冠でも6着に敗れたが、本番ではサクラチトセオーと鼻差の2着という激闘を演じた。「勝ちに等しい大健闘。年代の壁を崩した先駆けだと思っています。オーナーサイドの大英断でした」と松山氏。近代競馬の流れを作った“功労馬”と言ってもいいだろう。(春木 宏夫)

 <08年ディープスカイ>

 08年にNHKマイルC、ダービーの変則2冠に輝いたディープスカイだが、史上4頭目の3歳馬による秋の盾制覇はウオッカ、ダイワスカーレットに阻まれた。中団から直線で猛追したが、名牝2頭をかわすことはできず。昆調教師は「3着では意味がない。勝たないと歴史に名前は残らない」と悔しい思いは今も残る。

 東京でG1・2勝の実績から参戦を決断。昆師は「マイルのG1を勝っている馬だから菊花賞の3000メートルはちょっと違う。ダービーで勝っているし、適性のある舞台を選択した」と説明した。

 あれから11年が経過。種牡馬として京都記念優勝のクリンチャーなどを送り出した。昆師は「素晴らしい馬だった。ただ、現役時代に2頭もスーパーホースがいたのは運がなかった」と振り返る。勝つことはできなかったが、3頭によるタイム差なしの名勝負は長く語り継がれる。(内尾 篤嗣)

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