アドマイヤドン、G1・6勝で長期政権を築いたダート界の“ドン”

01年の朝日杯FSを制したアドマイヤドン(左)
01年の朝日杯FSを制したアドマイヤドン(左)
アドマイヤドン(手前)が二刀流としての真価を発揮した04年のフェブラリーS
アドマイヤドン(手前)が二刀流としての真価を発揮した04年のフェブラリーS

◆第22回チャンピオンズC・G1(12月5日・中京、ダート1800メートル)

 砂の首領(ドン)としてG1・6勝と無類の強さを見せた。01年の朝日杯FSを制したアドマイヤドン。ダービー馬アドマイヤベガ(父サンデーサイレンス)の半弟という背景もあり3歳秋までクラシックで戦ったが、皐月賞7着、ダービー6着、菊花賞4着に敗れた。菊から15日後という異例のローテーションで迎えたJBCクラシック(盛岡)について、松田博資元調教師は「ティンバーカントリーの子だから一回、ダートに使ってみようとなった」と振り返る。見立て通り砂上で躍動し、ぶっちぎりの7馬身差圧勝だった。

 父は95年のプリークネスSなど、ダートの本場の米国でG1・3勝。ドンはレースでは主に450キロ台と、馬体は大きくなかったが、たぐいまれなパワーを受け継いでいた。ヴァーミリアンと2頭だけのJBCクラシック3連覇をはじめ、中央でも04年のフェブラリーSを制し、長期政権を築いた。

 数多くの名馬に携わった松田さん。芝ではG1・6勝のブエナビスタが筆頭格。ダートでもドンの他にG1・5勝のタイムパラドックスを管理した。「芝だ、ダートだというけど、大事なのは持って生まれた天性のもの。適性というより能力さえあれば、どっちだろうと走る」は調教師生活33年の経験から出た言葉だった。

 16年春に定年引退した平成の名伯楽に、ソダシのチャンピオンズC挑戦はどう映るか。松田さんは「ダートに使うのは、いいんじゃないかな。立派な馬体をして、どんな競馬もできる。何より大事な能力の高さがある。いいレースができても不思議はないと思うよ」と砂の女王誕生を期待していた。(内尾 篤嗣)

 ◆アドマイヤドン 父ティンバーカントリー、母ベガ(父トニービン)。栗東・松田博資厩舎所属の牡馬。北海道早来町(現安平町)・ノーザンファームの生産。通算成績は25戦10勝(うち地方7戦5勝、海外1戦0勝)。総収得賞金8億6780万8000円(うち地方4億6400万円)。主な勝ち鞍は朝日杯FS・G1(01年)、JBCクラシック・交流G1(02~04年)、南部杯・交流G1、エルムS・G3(以上03年)、フェブラリーS・G1、帝王賞・交流G1(以上04年)。馬主は近藤利一氏。

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