【2021年レース回顧】七夕賞のトーラスジェミニで10年ぶり重賞制覇 小桧山調教師「最後にこういう馬に巡り会えて感謝」

西山記者が2022年の飛躍を期待するトーラスジェミニ
西山記者が2022年の飛躍を期待するトーラスジェミニ

 ◆七夕賞・G3(7月11日、福島・芝2000メートル、16頭立て=稍重)

 トーラスジェミニにとっては2番人気で迎えた重賞13度目の挑戦。4角2番手から抜群の手応えで直線を迎え、最後までしぶとく脚を伸ばして先頭でゴール板を駆け抜けた。小桧山厩舎にとっては11年の東京新聞杯・G3(スマイルジャック)以来、実に10年ぶりのタイトルとなった。

 話はその10年前にさかのぼる。2001年入社からサッカー担当、野球担当を経験したあと、競馬担当に転身したのが11年だった。美浦トレセンに初めて“新人記者”として足を踏み入れ、関係者にあいさつ回りをしていたところ「馬を見せてあげるよ」と声をかけてくれたのが小桧山悟調教師だった。

 厩舎に入れてもらい、人なつっこいスマイルジャックの鼻面をナデナデ。大学時代から競馬にどっぷりはまっていた記者にとって、重賞ホースはアイドルのようなもの。純粋に感動したのをいまだに覚えている。

 トーラスジェミニの10年ぶりVは、競馬記者になりたての記憶がよみがえった感慨深いレースとなった。来年1月に68歳を迎え、調教師人生が残りわずかとなる小桧山悟調教師も「最後にこういう馬に巡り会えて馬主さんに感謝ですね」と重賞馬の誕生を喜んだ。次走は年明けの京都金杯・G3(1月5日、中京)を予定。厩舎の大黒柱として22年も活躍して欲しいと切に願っている。(中央競馬担当・西山 智昭)

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