◆第58回函館記念・G3(7月17日、函館競馬場・芝2000メートル)
ラストチャンスへ虎視たんたんだ。史上7人目となるJRA全10場重賞制覇に函館を残すのみの橋田調教師が、函館記念・G3(17日、函館)に本格化ムード漂うスカーフェイスを送り込む。来年2月に定年を迎える名伯楽は「(記録を)考えずにうまくいけばいいですね。(ファンの)皆さんの気持ちに応えられれば」と自然体で快挙達成に挑む構えだ。
これまでJRAの白星は739勝。99年にアドマイヤベガで日本ダービーを制するなど重賞勝利数は63勝を数える。だが函館ではタイトルにあと一歩手が届かず、函館記念は02年にトーワトレジャーでの3着が最高着順だ。橋田師は「函館に持ってきたのは、下級条件の馬が多かったからね。2歳を早くから使う厩舎でもなかったし」と自己分析。だからこそ充実ムードの6歳馬への期待は膨らむ。
昨年11月に岸和田Sを制してオープン入り。一線級相手だった前走の大阪杯は6着だったが、中山金杯で2着に好走するなど重賞戦線で大崩れしていないことは評価できる。「今年に入ってトモ(後肢)がしっかりしてきて、それが成績につながっている」と、橋田師は成長に目を細める。
さらに週末は雨予報で、道悪が予想される。「少々の雨はこなしている。こっちの馬場(洋芝)は合うんじゃないでしょうか」と指揮官。天の後押しも受けて、歓喜の雨を願う。(坂本 達洋)