◆第101回凱旋門賞・仏G1(10月2日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)
延べ29頭の日本調教馬が敗れてきた世界最高峰の第101回凱旋門賞・仏G1が10月2日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートルで行われる。最多4頭が参戦する今年の日本勢の大将格が、G1・3勝のタイトルホルダーだ。大一番を前に、山田弘オーナー(76)を直撃した。
タイトルホルダーの凱旋門賞参戦プランは、天皇賞・春を圧勝後に行われた山田弘オーナー、栗田徹調教師、その父の博憲元調教師、岡田スタツドの岡田牧雄代表のチーム・タイトルホルダー首脳会議で練られた。
「私はエフフォーリアに勝っていない段階で、日本代表として参加するのは、おこがましいと思っていました。また、牧雄社長は番手の競馬で勝てないようでは厳しいという意見でしたね」
そこで、課されたのはある条件のクリアだった。
「凱旋門賞は前を行くラビットの後で、しっかり折り合えるかがポイントです。そこで、宝塚記念は番手で競馬をする。これができればと」
凱旋門賞のリハーサルとも言える宝塚記念は、飛ばすパンサラッサの後に控え、レコードVと陣営の期待を上回る結果。
「1000メートルの通過タイムは57秒6。番手のうちの馬も、近い時計で走っている。スタンドはドッと沸いていましたが、冗談じゃないよってなりましたよ。いや~、すごい内容でした。血統的に時計勝負は厳しいと思っていましたしね」
母メーヴェの父は05年英ダービー馬のモティヴェイター、母の父は78年英愛ダービー馬のシャーリーハイツという欧州血統。今回、その血が生かせる舞台に立つ。
「日本とは馬場が違うし、難しいところですが、重い馬場はうまくはないけど、苦にはしないと思っています」
勝負服の緑はターフ、黒袖はパワー、黄鋸歯(きょし)形はチームワークをイメージしている。その思いを乗せた愛馬が、パリロンシャンを駆け抜ける。当日は現地で声援を送る予定だ。
「もう、夢のようです。(横山)和生は“タイトルホルダーと仲良く走ってきます”って。そう聞いて“それはいい。タイトルホルダーは、和生のことが大好きなんだから”と伝えました」
◆山田 弘(やまだ・ひろし)1946年7月21日、東京都新宿区生まれ。76歳。不動産業を営む。祖父の影響で競馬ファンとなり、1988年に馬主資格を取得。15年日本テレビ盃をサウンドトゥルーが制し、重賞初制覇。同馬は15年東京大賞典、16年チャンピオンズCとG1を2勝した。共有馬主として、ドゥラメンテ、ダンスインザムードなど。