【JBCレディスクラシック】デビュー4年目の岩田望来騎手、3歳ヴァレーデラルナでG1初制覇「勝ててホッ」

表彰式では落ち着いた表情の岩田望
表彰式では落ち着いた表情の岩田望

◆第12回JBCレディスクラシック・交流G1(11月3日、盛岡・ダート1800メートル、良)

 ダート競馬の祭典、JBC競走が3日、盛岡競馬場と門別競馬場で開催された。レディスクラシックでは、自厩舎のヴァレーデラルナに騎乗した岩田望来騎手(22)=栗東・藤原厩舎=がデビュー4年目で待望のG1初勝利を挙げた。

 超満員となった盛岡での競馬の祭典で、待ちに待ったG1初制覇だ。ヴァレーデラルナは岩田望のエスコートでスタートを決めると、サッと2番手をキープ。最後の直線に向いても、鞍上のゲキに応えて懸命の走りを見せた。2着グランブリッジの猛追を首差しのぐと、鞍上は右手を大きく振りかざして歓喜。「終始ヒヤヒヤするレースでしたけど、勝ててホッとしています」と幸福感に浸った。

 苦しい期間を乗り越えてつかんだVだった。22歳のホープは8月13日の落馬負傷で左足を骨折。約1か月半、レースから遠ざかったが、その間も「馬のことしか考えていませんでした」と振り返る。9月24日に復帰。10月に早々と交流G2のレディスプレリュードをプリティーチャンスで制するなど、コンスタントに勝ち星を挙げてきた。「復帰してから順調に勝たせていただいて、恵まれていると思います」と感謝の言葉を忘れない。

 主戦を務める4連勝の3歳牝馬も、勢いは十分だ。13時間に及んだ長距離輸送も何のその。馬体重はわずかに2キロ減っただけだった。「急に流れが速くなってきつくなったけど、力を信じて必死に追いました」。まさに人馬ともに充実期と言える。

 世代交代を告げようとする若き人馬。藤原調教師はヴァレーデラルナの次走については「馬とオーナーと相談してだけど、選択肢が広がった」と語るにとどめたが、愛弟子の勝利には「望来頑張れ、と応援していました」と目を細めた。ついにつかんだG1ジョッキーの称号。岩田望は「努力を怠らず、来年、再来年と日本を盛り上げるジョッキーのひとりになりたいです」と、さらなる精進を誓った。(春木 宏夫)

 ◆岩田 望来(いわた・みらい)2000年5月31日、兵庫県生まれ。22歳。栗東・藤原厩舎所属。19年3月2日の阪神1Rでデビューし、同30日の阪神5R(ポップフランセ)で初勝利。今年2月の京都牝馬S(ロータスランド)でJRA重賞98戦目にして初タイトルを獲得し、5月には京都新聞杯(アスクワイルドモア)も制した。JRA通算2839戦285勝(3日現在)。父はJRA・G1・25勝の康誠騎手。

 ◆ヴァレーデラルナ 父ドゥラメンテ、母セレスタ(父ジャンプスタート)。栗東・藤原英昭厩舎所属の牝3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算10戦5勝(うち地方1戦1勝)。総獲得賞金は1億2004万4000円(うち地方6000万円)。重賞初勝利。馬主は(株)ラ・メール。

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