【香港スプリント】ラスト!?の海外挑戦へ丸田恭介騎手、ナランフレグに「魂込めて騎乗したい」

現地で調教騎乗を開始した丸田とナランフレグ
現地で調教騎乗を開始した丸田とナランフレグ

◆香港スプリント・G1(12月11日、シャティン競馬場・芝1200メートル)

 JRA海外馬券発売レースの香港国際競走(11日、シャティン競馬場)の香港スプリントでナランフレグの手綱を執る丸田恭介騎手(36)=美浦・フリー=は、14年の豪ドンカスターマイル・G1(ハナズゴール6着)以来2度目の海外挑戦だ。

 3月の高松宮記念でデビュー16年目にしてG1初勝利を挙げた丸田が、香港スプリントで8年ぶりに海外に打って出る。先週末の国内騎乗を終えて5日には現地入り。6日には早々と愛馬ナランフレグの調教にまたがった。「こういう時代の流れのなか、乗り替わりなく海外の競馬に乗せてもらえる。オーナー、宗像先生、厩舎スタッフには感謝しかない。魂を込めて騎乗したい」と決意を語る。

 退路を断って道を切り開いてきた。以前は3場開催の時はいわゆる第3場のローカルを主戦場としていたが、昨年から本場へ軸足を向けた。騎乗数が減ることは容易に想像できたが、さらなる高みに上がるため決断した。「G1を勝てる騎手になるためです。僕は天才じゃない。だからG1が行われるコースをいつも経験することで、他の騎手たちがどうコース取りをしているかとか普段から見て研究できることを選びました」と説明する。

 不器用なまでに真っすぐに歩いた道の途中で出会ったのがナランフレグ。破壊力抜群の末脚を持ちながら馬込みに入れない弱点があった。厩舎スタッフとともに改善に取り組み、レースで馬群にわざと突っ込むなど経験を積ませると、春の高松宮記念では狭いインを突き抜けてG1初勝利を手にするまでに成長を遂げた。「馬がすごいんです。今まで騎乗した馬たちがいろんなことを教えてくれました。僕じゃなければもっと早く勝っていたかもしれないし、それを考えればまだまだ経験も勉強もしなきゃいけない」

 いつも笑みを絶やさず「丸ちゃん」の愛称で親しまれる穏やかな人柄だが、心の奥底では勝負師の思いをたぎらせてきた。今回も参戦決定後は香港のレース動画を繰り返し見て、イメージを膨らませている。「僕の立場で海外で乗るのはこれがラストかもしれないという気持ちはある。チャンスがきた時にそれをつかめる準備はしてきたつもり。勝負してきます」。人馬で重ねた経験と実績は揺るぎない。世界に「MARUTA」の名を刻みにいく。(松末 守司)

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