【東京新聞杯】4歳牝馬3頭が挑む 牡馬と初対戦のナミュールに高野調教師「総合力高い馬。大丈夫」

坂路を駆け上がったナミュール(手前)
坂路を駆け上がったナミュール(手前)

◆東京新聞杯追い切り(1日、美浦、栗東トレセン)

 第73回東京新聞杯・G3(5日、東京・芝1600メートル)の追い切りが1日、東西トレセンで行われ、昨年の牝馬クラシックで善戦したナミュール、プレサージュリフト、ピンハイがいずれも順調な動きを披露した。見据える春の大一番、ヴィクトリアマイル(5月14日、東京)と同じ舞台での一戦。明け4歳でのG1奪取へ、牡馬を蹴散らして伝統のタイトルをつかむ。

 追い出せば、どこまでも伸びていきそうなしびれる手応えだ。ナミュールは栗東・坂路でバルサムノート(3歳1勝クラス)と併せて53秒6―11秒8をマークした。相手に合わせただけだが、鞍上の手は持ったまま。無駄のないきれいなフォームで駆け上がってきた。

 「最終追いはやり過ぎないように、前半ゆったりと走らせてラストの反応を見ました。速くは見えませんでしたが、11秒台ですから仕上がりは十二分です」と高野調教師は満足そう。以前はカイバ食いに苦労したそうだが「食いつきがよくなって、細くなるような心配がなくなったことが大きい」と成長に胸を張った。

 桜花賞10着以来のマイル戦となるが「守備範囲が広い馬ですし、目標のヴィクトリアマイルを考えたら、同じ舞台のここからの始動がベストなので」と春の牝馬頂上決戦も見据えた指揮官。初の牡馬との対戦も「強いメンバーですが、ナミュールも総合力が高い馬です。大丈夫です」と自信を隠さなかった。(山下 優)

プレサージュリフト心身ともに成長

 2戦2勝の舞台で重賞2勝目を狙うプレサージュリフトは美浦・Wコースを3頭併せで、1馬身間隔の2番手からスタート。ほどよい前進気勢の中でも折り合いはスムーズ。真ん中に進路を取った直線はなめらかな加速で6ハロン85秒6―11秒8をマークし併入。馬体を大きく見せ、心身ともに成長をうかがわせた。

 木村調教師は「追い切りの内容も良かったし、予定通り順調にきています」と納得の表情。前走の京都金杯(3着)は前めから運ぶ積極的な競馬を見せたが「スタートは遅めだったけど、ジョッキーが出して行ってくれた。結果的に先行馬には厳しい流れになったけどよく踏ん張ってくれたし、アグレッシブなレースができたのは良かった」と前向きに振り返る。

 以前管理したプリモシーンは3歳クラシックで善戦後、5歳で東京新聞杯を制覇。「あの時に勉強させてもらったことが生きている」と木村師。飛躍への準備は整っている。(松井 中央)

ピンハイ動きにぶれなし一直線

 ソフトな追い切りが定番のピンハイだが、小さい馬体にも芯の強さは確かだ。北村友(レースは坂井)を背に栗東・坂路で単走、58秒0―13秒3。動きにぶれがなく、真っすぐ駆け上がった。

 「特に馬体は変わった感じはないです。調教師としては大きくなってほしいですが…」と前走412キロの馬体に田中克調教師は苦笑い。それでも「追い切りの動きはいい意味で変わりませんし、少しずつ精神的にも大人になっています」と成長を感じている。

 デビュー6戦目にして初めて崩れた前走は「(距離や重馬場も含めて)マイナス要因が多かった」。その上で今回は「東京ならきれいな馬場で走れそうですし、マイルでのパフォーマンスもいいですからね」と強調した。「レース後にヴィクトリアマイルが楽しみになるような結果になるといいですね」と期待を込めた。

3頭併せの真ん中で脚を伸ばしたプレサージュリフト(中)
3頭併せの真ん中で脚を伸ばしたプレサージュリフト(中)
芯の強さを感じさせる動きを見せたピンハイ
芯の強さを感じさせる動きを見せたピンハイ

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