3場開催の出走馬が2日、確定した。「目指せG1ジョッキー」では昨年、騎乗数と勝ち鞍でキャリアハイの数字を残した鮫島克駿騎手(26)=栗東・フリー=を取り上げる。
強い気持ちを胸に数字を積み重ねた。鮫島駿はデビューから7年間所属した浅見厩舎の解散に伴い、昨年3月からフリーとなった。「不安はあったけど、ずっと支えてくれた先生のためにも頑張ろう」。日頃からアグレッシブな騎乗を心がけ、夏は北海道シリーズに初のフル参戦。積極的な挑戦が昨年の京阪杯を勝ったトウシンマカオなど関東の厩舎からの依頼増につながった。「自分としては大事にしたいです」と口にする騎乗数はキャリアハイ、JRA全体でも2位の889回。高い信頼を勝ち得た証しだった。
成績も自己最多の80勝。それでも、更なる高みを目指している。「トップジョッキーとは経験の差で劣るので、そこを補うためにも日々の研究は欠かせないです」。トレーニングだけでなく、暇さえあればレースVTRをチェック。火曜日からでも精力的に調教に騎乗する。地道な努力が結果に結びつき、騎乗するチャンスも増える好循環を生み出している。
昨秋は同年代のジョッキーが次々とG1制覇。しかし、自身はジャスティンパレスに騎乗した菊花賞での3着が最高だった。「G1に乗っても、後ろから勝った馬を見るのが悔しくて。勝っていないから僕に何が足りないのか分からないけど、準備だけはしておかないと」。今年の目標はけがなく、昨年を上回る勝ち鞍。そして、もちろんG1制覇。今年も多くの馬と接しながら、G1のゴール板を先頭で駆け抜ける瞬間を追い求めていく。(山下 優)