◆フェブラリーS追い切り(15日、美浦トレセン)
いい意味で予想を裏切られた。いつも気難しさを見せるケンシンコウが、初コンタクトとなるバシュロを背に美浦・坂路を単走で弾むように駆け上がった。同じく坂路で行った1週前追い切りは、右へ左へ御しにくそうな姿を見せていたが、この日はだいぶスムーズ。55秒5―14秒3でラストの時計は要しても、それ以上に折り合いがついていた姿が印象的だった。
G1恒例の共同会見に臨んだ鞍上は「すごく馬体も状態も良くて、すごく力強い馬。乗った感じも問題なく、先生も自信ありげだったので、僕もすごく自信を持ちました」と、舌も滑らかに涼しい表情だった。小西調教師も「ちょっと癖のある馬だけど」と認める個性派だが、前半で行きたがるところは抑えが利いていたとジャッジしたい。
折り合いを考慮してしまい勝負に徹した前走の根岸Sは、4角16番手から切れ味を発揮して6着と収穫のある内容だった。小西師は「後ろからいきましたけど、もう少し前でいければいい」と今回の位置取りをイメージ。もちろん相手は強いが、じわじわと勝負気配が漂ってきた。(坂本 達洋)