◆高松宮記念追い切り(22日、栗東トレセン)
春G1開幕戦の第53回高松宮記念(26日、中京)の追い切りが22日、東西トレセンで行われた。メイケイエールは栗東・CWコースで、1週前とは一転して折り合いのついた動きを披露し、陣営は短距離王座へ意欲満々。1年4か月ぶりの実戦となるピクシーナイトは同・坂路の併せ馬で仕上げられた。
ガス抜き完了だ。メイケイエールは、いつも通り栗東・CWコースの3角手前から入場し、外めを回って半マイル51秒9―11秒4と落ち着いて駆け抜けることができた。成長してパワーがついたこともあり、1週前には同47秒0と時計が出過ぎてラストには脚が上がっていたが、きょうは一転して最後までフットワークは素軽かった。
主戦の池添とともに見届けた武英調教師は、この日の手綱を執った元騎手の荻野要助手が引き揚げてくるなり、「時計どれぐらいだったと思う?」と質問。同助手が「50秒ぐらいですかね?」と答えると、「51秒9!」と笑顔で答え、池添と拍手喝采。持ち前のスピードと裏腹に前進気勢が強すぎることが課題だが、コントロールが利いたことを喜んだ。追い切りを終えて拍手など見た記憶がなく、思わずにやけてしまったが、それだけ最終調整がうまくいった証拠だろう。
馬主の名古屋競馬(株)は中京競馬場を所有しており、社長は表彰式にも参加する。昨年は5着に敗れており、武英師は「社長が(勝った)ナランフレグのオーナーに優勝盾を渡しているのを見て、悔しくて仕方なかった。今年は絶対取るつもりできてるんで。まったく負けるつもりはないですけどね」と意気盛ん。香港では規定上NGだったが、折り合いのポイントとなる折り返し手綱を2戦ぶりに使用できるのも大きい。跳びが大きく、良馬場の方がいいのは間違いないが、パンプアップした今なら能力で圧倒するシーンも十分とみている。(玉木 宏征)