【天皇賞・春】杉山晴紀調教師、ジャスティンパレス初陣前のルメール騎手の予言信じてつかんだ戴冠「調教師冥利に尽きます」

新装京都最初のG1で勝利を挙げた杉山晴調教師(右は長澤まさみ)
新装京都最初のG1で勝利を挙げた杉山晴調教師(右は長澤まさみ)

◆第167回天皇賞・春・G1(4月30日、京都・芝3200メートル)

 第167回天皇賞・春は30日、京都競馬場で行われ、2番人気のジャスティンパレスが2馬身半差の快勝でG1初タイトルをつかんだ。鞍上のルメールは先週の読売マイラーズCに続き、新装・京都で重賞連覇。ディープインパクト産駒はG1・71勝目で、父のサンデーサイレンスの最多記録に並んだ。断然の1番人気に支持されたタイトルホルダー(横山和)は3角過ぎに失速し、まさかの競走中止となった。

 予言は現実になった。杉山晴調教師は一昨年秋のデビュー前、ジャスティンパレスに少し不安を持っていた。「軽い動きでしたが、非力だなとも思っていました」

 半信半疑の気持ちを振り払ったのがルメールだ。初コンタクトだったデビュー戦の1週前追い切り後、伝えられたのは「ディープらしい、本当にいい馬だよ。心配しなくていい。大丈夫」という太鼓判。翌週に鮮やかな新馬Vを見届け、確かな手応えをつかんだ。

 昨春は葛藤もありながら、ホープフルSから皐月賞への直行を決断した。「非力な状態でレースを詰め込むのは将来的に得策とは思えなかったです」。春は結果が出なかったが、日本ダービーで448キロだった馬体は現在、472キロ。グンとたくましさを増した。

 杉山晴師にとってデアリングタクトの無敗3冠を成し遂げた20年の秋華賞など思い出が多い京都の開幕G1。「調教師冥利に尽きます」。そう振り返った大きな一勝は我慢の采配の末につかんだ勝利だった。(山本 武志)

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