【安田記念】過去8年で6頭がG1初制覇 昨年1番人気のイルーシヴパンサーが今年こそ頂点を狙う

G1未勝利だが、1番人気で8着だった昨年からの巻き返しを狙うイルーシヴパンサー
G1未勝利だが、1番人気で8着だった昨年からの巻き返しを狙うイルーシヴパンサー
前走は不利に泣いたナミュール
前走は不利に泣いたナミュール

◆第73回安田記念・G1(6月4日、東京競馬場・芝1600メートル)

 春のマイル王決定戦、第73回安田記念は6月4日、東京競馬場で行われる。今年はG1ホースが10頭の豪華メンバーだが、過去8年で6頭がG1初戴冠となっている一戦。今春も8頭が新たにG1ホースの仲間入りをしている。そこで、馬トク全スタッフによるG1未勝利馬の「推し馬総選挙」を実施。1位の5票を獲得したイルーシヴパンサーについて、吉田哲也編集委員が「占う」。

 登録の段階で10頭のG1ホースが名を連ねている。ヴィクトリアマイルの1、2着だったソングラインにソダシ、復活を遂げたシュネルマイスターあたりが人気を集めるのか。昨年の最優秀短距離馬セリフォスなども参戦し、重厚なメンバーがそろったと言える。

 ただ、大阪杯の勝ち馬で早くから参戦を表明していたジャックドールや3歳馬2頭などバラエティーに富んだメンバーでもある。振り返れば、グランアレグリアが21年のマイルCSでG1・6勝目を手にターフを去って以降、いまだマイル路線では圧倒的な存在が不在。多彩な顔ぶれに、それを再認識させられた。

 さらに、G1ウィナー以外にも魅力のある馬がそろっている。なかでも最も気になるのがイルーシヴパンサーだ。昨年の1番人気馬である。東京新聞杯を快勝後、勢いに乗っての参戦も8着だった。ただ、上がり3ハロンは優勝したソングラインを0秒3も上回る32秒6。決して力負けではなかった。

 安田記念は一度、壁にはね返されながら、二度目の挑戦で大願を成就した馬が少なくない。17年のサトノアラジンも、その一頭だ。前年に京王杯SCを勝って、3番人気で臨むも4着。翌年は7番人気まで評価を下げたが、鮮やかに直線抜け出してG1制覇を成し遂げた。イルーシヴパンサーがダブってみえるのだが…。(編集委員・吉田 哲也)

 昨年のソングラインほうふつ ナミュールが雪辱へ虎視眈々

 ナミュールに一発ムードが漂う。前走のヴィクトリアマイルは7着に終わったが、序盤の不利がすべて。大外枠からスタートしたソダシが内に切れ込んだ際、進路が狭くなりナムラクレアとクリノプレミアムに左右から挟まれる形になり後退。完全にリズムを崩した。幸い大きなダメージはなく、中2週で再び東京マイルで“リベンジ”の機会が巡ってきた。

 振り返れば昨年はヴィクトリアマイルの3コーナーでつまずくアクシデントがあって5着に終わったソングラインが安田記念で巻き返しに成功。今年はナミュールにその姿が重なる。3歳時は馬体の維持に苦労していたが、古馬になって解消。21年の赤松賞でスターズオンアース(3着)に先着した東京マイルはベストの舞台。強烈な末脚で差し込んでくる。(戸田 和彦)

最新記事

さらに表示
ニュース検索
馬トク SNSアカウント
  • X (旧Twitter)
  • facebookページ
  • Instagram
  • LINE公式アカウント
  • Youtubeチャンネル