【安田記念】前日まで大雨予報、“3戦3勝”道悪の鬼ソウルラッシュ注目

厩舎周りで運動するソウルラッシュ
厩舎周りで運動するソウルラッシュ

◆第73回安田記念・G1(6月4日、東京・芝1600メートル)=6月1日、栗東トレセン

 第73回安田記念・G1(4日、東京)の出走馬18頭が1日、確定した。当日の東京は雨の影響が残りそうな気配。ソウルラッシュなど道悪巧者とされる陣営の手応えは―。

 不気味な存在になってきた。週末の天気が下り坂で、特に金曜は大雨予報の東京競馬場。ソウルラッシュは軌道に乗った21年の秋以降、稍重と重馬場で3戦3勝と抜群の道悪実績を残す。「地面をはうように走るところがいいんじゃないでしょうか。キセキも得意でしたよね」と担当の橋口助手。不良馬場で17年菊花賞を制した、同じルーラーシップ産駒を引き合いに出して、冷静に分析する。

 今回は松山が3週続けて追い切りに騎乗。大一番へ意欲的な調整を積んできた。「2週前は緩さを感じましたが、徐々に良くなってきました。他馬が苦にするぶん道悪はいいと思いますし、府中も問題ないので」と松山は納得の表情。馬場の悪化にも前向きにとらえる。

 4連勝で読売マイラーズCを制し、6番人気だった昨年は13着。勝負どころから包まれ、直線に向いてもまったく前が開かず、参考外の競馬と言える。「(去年の安田記念より)馬力がついたと思います。前走後から力みがなくなって、体も柔らかくなり、硬さが出なくなりました。前走と比べて抜群に動けています」と橋口助手も歯切れがいい。スムーズに運べた昨秋のマイルCSは2着とは0秒1差で僅差の4着と能力的にひけは取らない。天の後押しも受ける今回は三度目の正直で結果を出す。(玉木 宏征)

◆タフな馬場でNHKマイル制覇シャンパンカラー

 恵みの雨となるか。シャンパンカラーはニュージーランドT(3着)、NHKマイルCともに稍重馬場。特に前走は午前中から降り続き、かなり水分を含んだタフな状態だった。コンビを組む内田は「道悪がすごく上手という感じはしないけど、他の馬が苦戦するようならね」と歓迎。まだ完成途上の3歳馬だけに、良馬場で行われる高速決着よりG1連勝の確率が高まるのは間違いない。

 内田が「心臓が強い」と評する長所は、他馬が苦しんだ直線での重たい馬場でバテることなく伸び続けたレースぶりだけではなく、回復力にも表れている。当初、陣営はギリギリまで馬の状態をチェックして出否を決める意向だったが、1週前追い切りで騎乗した内田が「使えるかどうかを感じる調教だったが、しっかりとした歩様で走っていた。この状態なら使える」と太鼓判。中3週でのG1連戦が決まった。

 「相手は強いけど、いつかは戦わなきゃいけない。人馬一体になってレースを組み立てていきたい」と意気込んだ52歳のベテランと3歳マイル王が再度、雨空の府中で激走する。(西山 智昭)

◆重の高松宮記念Vナランフレグ

 道悪馬場ならナランフレグも侮れない。昨年の高松宮記念を制覇した時が重馬場。今年も4着だったとはいえ、後方14番手から不良馬場をものともせず脚を伸ばして勝ち馬に0秒3差まで迫った。メンバー屈指の道悪巧者と言える。鞍上の丸田も「結果を出しているし、馬場が悪くなってもオッケーです」と歓迎ムードで、他陣営が苦にするようなら強調材料になる。

 初の芝のマイル戦だった昨年は、9着でも上がり3ハロン33秒1の末脚を使って0秒4差に踏ん張った。距離も問題ない。鞍上は「身のこなしが柔らかくて、雰囲気はいい。気配は僕が乗った中で一番よく感じました」と太鼓判。マイル王奪取へ、週末の雨を味方につける。

◆週末の東京競馬場の天気 2日は一日中雨の予報で特に夕方からは非常に激しい雨になる。翌3日も曇一時雨の予報で降水確率は70%。レース当日は曇時々晴の予報だが、それまでの降水量はかなり多く、パンパンの馬場は見込めそうにない。

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