【関屋記念】酷暑の新潟重賞の主役を馬トク取材班が「ジャッジ」―アナザーリリック、芝コースを2週しそうなくらい元気いっぱい

抜群の動きを披露したアナザーリリック(左)
抜群の動きを披露したアナザーリリック(左)

◆関屋記念追い切り(9日・東西トレセン)

 13日に行われる2重賞、第58回関屋記念・G3(新潟)に向けた追い切りが9日、東西トレセンで行われた。関屋記念は猛暑で判断が難しいなか、馬トク取材班が好気配の馬を「東西ジャッジ」。アナザーリリックなど牝馬がずらりと挙がった。

 角田(以下、角)「先週、札幌出張から帰ってきて初の美浦ですけど。いや、相当暑いですね」

 イシゴー(以下、イ)「温度計は30度になっているけど、日ざしが強烈でフライパンの上にいるみたいだよ」

 水納(以下、水)「栗東も暑いです。でも今日は変な天気。晴れているのに小雨が降ったり、急に蒸し暑くなったり…」

 松井(以下、松)「なるべく暑さを避けて、朝一番の5時に追い切る馬が非常に多い」

 角「でも、とんでもない動きだったのがアナザーリリックです。日の照りつける6時半に、芝コースで3ハロン52秒4―10秒9。直線は僚馬を持ったまま一瞬で抜き去り1馬身先着。ゴール後もスピードは緩まず、2周しそうなくらい元気いっぱいでした。手綱を執った津村騎手も『雰囲気はすごくいい。夏は体も絞れるしいいんですよ。新潟は合うし、楽しみです』と自信たっぷりです」

 イ「『夏は牝馬』って格言もあるからね。現に新潟の重賞は2週連続で牝馬が制覇。俺も牝馬のビューティフルデイが良く見えた。Wコースを5ハロン66秒0―11秒5。馬なりでもしまいの伸びは軽快だったよ。前走の末脚を見る限り、今はマイルも対応できそうだし面白いんじゃないかな」

 松「末の切れ味でいえばアヴェラーレもすごかった。直線で追われると一気に加速して、ラスト1ハロンは11秒3。太田助手も『この中間も普段通りの調整過程で、休み明け感もなく仕上がった』と万全をアピール。3か月ぶりのレースだけど、夏バテ回避の意味で良かったんだと思うよ」

 水「栗東からもディヴィーナとロータスランドの牝馬2頭です。時計はどちらも控えめでしたが、ディヴィーナは体を大きく使ったフォームから充実ぶりが伝わりました。近2走はゲート裏で落ち着いており、松館助手は『競馬が上手になってきた。暑さに負けず、いい状態をキープしている。頼もしい』と胸を張っていました」

 石「ロータスランドはおととしの覇者だし、暑さは問題なさそうだね」

 水「追い切りでもパワフルな伸び脚はさすがです。辻野調教師は『後ろで踏ん張って、息も乱れていなかった。この時期が得意なんだと思う』と手応えありです」

 吉村「ここまで全部牝馬か。あえて牡馬で推したいのが、カワキタレブリー。『暑い中でもうまく調整できました。短期放牧明けでフレッシュなのが強み。マイルなら、そうは崩れないでしょう』と杉山佳調教師は色気十分。18番人気だったNHKマイルCで3着。その後の2勝が左回りのマイル。ベストの条件なら『夏の牝馬』をあっと言わせるかもよ」

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