【新潟記念】サリエラ異例の新潟直行 猛暑回避の“一石三鳥”で重賞初制覇だ

新潟競馬場直行で万全を期すサリエラ
新潟競馬場直行で万全を期すサリエラ

◆第59回新潟記念・G3(9月3日、新潟・芝2000メートル)

 サマー2000シリーズ最終戦の第59回新潟記念・G3(9月3日、新潟)に出走するサリエラ(牝4歳、美浦・国枝厩舎)は、放牧先から美浦トレセンを経ず2週間以上前に現地入り。異例の調整過程は、猛暑のなか“一石三鳥”の効果を狙ったもの。素質馬が待望の重賞初Vへ着々と態勢を整えている。

 直行便が功を奏す。サリエラは5月の目黒記念3着後、福島県のノーザンファーム天栄に放牧。今月18日、通常通りの美浦トレセンに戻ることなく、新潟競馬場に直接入厩した。まさに異例だが、管理する国枝調教師の説明は明確だった。

 「一番は坂路が使えないことが大きい。それに暑い中での直前輸送がないというのも負担が少なくて済む」。さらに「新潟の馬房は開催期間中はエアコンが使えるので快適に過ごすことができるからね」。

 美浦トレセンの坂路は10月まで改修中で使用できず。連日の猛暑のなか、小柄な牝馬にとって輸送が一度で済むのはプラス材料。しかも、馬房は涼しいとあれば、理にかなった“一石三鳥”だ。2週前の早めの入厩も「しっかり環境に慣れさせることができる」と万全の対策を施し、仕上げが進められている。

 新潟ダートコースの1週前追い切りは、仕掛けられてからの反応に物足りなさを感じたが、「左前脚を落鉄した影響があってもう一つピリッとしなかったけど、日曜日(27日)に少し時計を出して、動きはまずまず良かった」とアクシデントも大事には至らず、順調にメニューを消化できている。

 母サロミナは独オークスを勝ち、半兄サリオスはG1朝日杯FSを制し、皐月賞、日本ダービーとも2着という活躍馬ぞろいの一族。アパパネやアーモンドアイなど数々の名牝を手がけたトレーナーも「今まで見てきた中でも素質的には上のものがあるし、まだ伸びる余地は十分ある」と大きな期待を寄せている。

 登録した今年の凱旋門賞出走は見送ったが、「来年は大きな舞台で活躍してほしいと思っている。だからこそ、とにかく重賞を勝たないと」。ここまで大事に使われ、まだキャリア5戦。今後の飛躍へ、まずは満点回答を出す。(松井 中央)

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