◆第102回凱旋門賞・仏G1(10月1日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)
日本からただ一頭挑戦したスルーセブンシーズ(牝5歳、美浦・尾関知人厩舎、父ドリームジャーニー)は直線後方から馬群を縫って脚を伸ばし、惜しい4着に食い込んだ。今年も日本勢初制覇の悲願達成はならなかったが、力を見せた。
日本調教馬の同G1挑戦は1969年のスピードシンボリから55年目、延べ34頭目。過去にエルコンドルパサー(1999年)、ナカヤマフェスタ(2010年)、オルフェーヴル(2012、2013年)と4度の2着があったが、05年3冠馬のディープインパクト(06年失格)など数々の名馬がはね返されており、またしても厚く高い壁にはね返された。昨年はタイトルホルダー、ドウデュースなどG1馬を含む歴代最多の日本勢4頭が参戦したが、すべて2ケタ着順の惨敗。牝馬では14年ハープスター(6着)、20年ディアドラ(8着)、21年クロノジェネシス(7着)に続く4頭目の挑戦だったが、結果を出すことはできなかった。
今年3月の中山牝馬S・G3で重賞初タイトルを獲得した後、次戦の宝塚記念の結果次第で凱旋門賞への出走が検討されることが尾関調教師とオーナーサイドの間で話し合われた。レースではロンジンワールドベストレースホースランキング1位のイクイノックスに首差と迫る2着と健闘。放牧先のノーザンファーム天栄の木実谷雄太場長から「凱旋門賞は、そこまでごつくない牡馬や牝馬が走っている」という話も出たことから、440キロ台のこの馬が世界最高峰の舞台に駒を進めることになった。結果は残せなかったが、来年以降の日本勢のバトンを渡す役割はしっかりと果たした。