美浦の坂路新装から約1か月 骨折明けでも「新坂路」で鍛錬されたヒュミドールは侮れない

坂路で鍛え、初戦から好走を狙うヒュミドール
坂路で鍛え、初戦から好走を狙うヒュミドール

 美浦トレセンの坂路が新装されて約1か月。以前より15メートルも高低差がつき、栗東の32メートルを超える33メートルとなった。当初は時計をかなり要していたが、徐々にチップもなじみ、時計も出やすくなっている。各陣営も本格的に運用し、様々な意見を聞くようになった。

 冷静に効果を分析するのは国枝調教師だ。「以前はスタートがなだらかだから、ガーッと行ってしまう馬もいて、乗り役も抑えるのに気を使ったけど、新坂路はスタートから上っているから、前のめりになるようなこともないりし、ハミ受けも良く落ち着いた調教ができる」と指摘。ゴール後の減速区間が80メートル延長されたことにも「減速するのに引っ張らなければいけないことも多かったけど、その心配もなくなった。安全に馬に負荷を掛けられるようになっている」と評価した。約1年5か月ぶりとなった29日の本栖湖特別を7馬身差で快勝した管理馬のダノンギャラクシーも、新装坂路での乗り込みを中心に仕上げていた。

 その観点から注目しているのが、アルゼンチン共和国杯で復帰戦を迎えるヒュミドール(セン7歳、美浦・小手川準厩舎、父オルフェーヴル)だ。今年のダイヤモンドS2着時など、以前はウッドコースで調整されることも多かったが、今回は坂路主体の調整で変化が見られる。天皇賞・春の後に左前脚を骨折したものの幸い軽度で夏の休養でしっかり回復。脚元を考慮したという理由だけでメニューを変えているとは思えない。小手川調教師の「もともと、アルゼンチン共和国杯で復帰予定でしたが、坂路のリニューアルのいいタイミングで帰厩して、しっかり負荷は掛けられているし、プールも併用して中身はできています」という言葉からも手応えが伝わる。

 今年のダイヤモンドSを含め、重賞は2着3回とあと一歩のところで涙をのんできた。「2週前に速いところをやってスイッチが入ってきたし、1週前に乗った(津村)ジョッキーも好感触でした。7歳でも馬はリベンジしたいと言っています」と意欲十分で、いきなり好走も十分可能だ。(松井 中央)

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