◆第61回アルゼンチン共和国杯・G2(11月5日、東京・芝2500メートル、良)
アルゼンチン共和国杯・G2は5日、東京競馬場の芝2500メートルで行われ、2分の1の抽選を突破して出走にこぎつけた1番人気のゼッフィーロが見事に重賞初制覇を飾った。鞍上のモレイラはこの日も5勝を挙げ、土日で計11勝の固め打ち。鮮やかな手綱さばきで魅了した。
大胆かつ完璧な立ち回りだった。道中は後方で脚をためて、直線で内を突くと前が壁になりかけたが、スペースを見つけると鋭く割ってスパート。最後は堂々と先頭でゴール板を駆け抜けた。“マジックマン”は「しまいにすごい脚を見せてくれて強い勝ち方だった。本当に夢のように勝ち鞍を重ねられて非常に感謝しています」と、あふれる笑みが止まらない。
池江調教師も「あそこに突っ込んで開くというのはすごいよね。勘というのか。テン乗りでブラボーとしか言い様がない」と最敬礼だ。今後は登録している香港ヴァーズ(12月10日、シャティン)をはじめ、ジャパンC(26日、東京)や有馬記念(12月24日、中山)が選択肢になる。無双の名手を味方につかみ取った白星は、飛躍の秋へとつながっていく。(坂本 達洋)
ゼッフィーロ 父ディープインパクト、母ワイルドウインド(父デインヒルダンサー)。栗東・池江泰寿厩舎所属の牡4歳。北海道千歳市・社台ファームの生産。通算12戦5勝。総獲得賞金は1億5945万8000円。重賞初勝利。馬主は(有)社台レースホース。