【エリザベス女王杯】サリエラ、姉サラキアが届かなかったG1制覇の夢かなえる

栗東に滞在して調整中のサリエラ(手前)
栗東に滞在して調整中のサリエラ(手前)

◆第48回エリザベス女王杯・G1(11月12日、京都・芝2200メートル)

 第48回エリザベス女王杯・G1は12日、4年ぶりに京都競馬場で開催される。イシゴー(石行佑介)記者がひときわ強い思いで注視するのがサリエラ。馬トク取材陣の一員として飛躍の「ターニングポイント」となった、20年2着サラキアの全妹だ。今年はG1ホースが1頭のみの混戦。アクシデントを乗り越えながら大舞台へたどりついた良血に、G1初挑戦Vの期待をかける。

 20年のエリザベス女王杯は間違いなく、私にとってターニングポイントとなったレースだった。前年11月に43歳にして競馬担当となったばかりのオールドルーキー。同じく担当歴の浅い他の3記者とともに「オレたち新鮮組」と称し、ベテラン記者との馬券プレゼント企画に挑戦していた。その第5戦で本命を託したのが5番人気のサラキア。前走の府中牝馬Sで初めて重賞を勝ったばかりのディープインパクト産駒の末脚に、キラリと光るものを感じたからだった。

 レース序盤は後方でじっくりと脚を温存。4コーナーで大外に持ち出された瞬間、私の興奮は最高潮に達した。現地・阪神から離れた東京競馬場のモニターに向かって、思わず「届く!」と叫んでいた。先に抜け出したラッキーライラックには首差及ばなかったものの2着。〇―◎の馬連で的中馬券を届けることができた安ど感は、今も忘れることができない。

 思い出には続きがある。この企画で1位となった私は、同年末の有馬記念でメインプレゼンターに任命された。資金3万円を託され、サラキアに△を打った。11番人気の牝馬は並み居る強豪を抑えて再び2着に激走。私は21万円超のビッグプレゼントに成功した。重責を全うし、翌年からは一面予想も任せてもらえるようになった。この時の経験から、ぶれずに印を打ち続けることが今も予想の根幹となっている。

 今年のエリザベス女王杯には、そのサラキアの全妹サリエラの名前がある。3歳春には左前肢の骨りゅうでフラワーCを回避するなどしており、4歳ながらまだキャリア6戦。前走の新潟記念の1週前追い切り後にも挫石のアクシデントがあったが、0秒4差まで差を詰めたのはポテンシャルの高さゆえだろう。半兄はG1馬サリオスで、2つ下の妹サフィラも先月のアルテミスS2着で賞金加算に成功した。今秋の女王決定戦は混戦模様。サリエラも負けてはいられない。姉が成し遂げられなかったG1制覇の夢を、託してみたくなる。(イシゴー)

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