◆第75回阪神JF・G1(12月10日、阪神・芝1600メートル)
今年は混戦ムードが漂うが、新潟2歳Sの勝利馬アスコリピチェーノ(牝2歳、美浦・黒岩陽一厩舎、父ダイワメジャー)に注目している。
まずポイントに挙げたいのが、栗東滞在を選んだ点だ。今年もイクイノックスの宝塚記念、ブレイディヴェーグのエリザベス女王杯など、栗東で調整した関東馬が関西圏のG1を制した前例があり、もはやトレンド。鈴木助手は「最初はソワソワしていましたが、今は美浦にいる時と変わりません」と落ち着きぶりを明かし、精神面での不安は少なそうだ。
栗東に入厩してからの調整過程も文句なしで、2週続けてCWコースでの7ハロン追い。11月30日は6ハロンでは同日二番目に速い、79秒3―11秒4の好時計をマークした。「このぐらいの調教をしたいと思っていて、プラン通り」と、騎乗した北村宏司騎手。しっかり攻められているのは、心身ともに充実している証拠だろう。
今年のメンバーに重賞勝ち馬は3頭いるが、同じマイル重賞を勝っているのはアスコリピチェーノだけ。このまま栗東で順調に調整できれば、好勝負になるとみている。(水納 愛美)