◆有馬記念追い切り(21日・中山競馬場)
第68回有馬記念・G1に出走するシャフリヤールはこの日、滞在中の中山競馬場の芝コースで追い切られ、絶好の動きを披露した。
21年のダービー馬が貫禄の動きを披露した。新コンビとなる松山を背に中山・芝コースに登場したシャフリヤールは、準備運動を終えると内回りの2コーナーを過ぎた地点からスタート。呼吸を確かめるようにゆったりと入ると3角手前から徐々にスピードに乗る。最後の直線でも鞍上の手綱はピクリとも動かないまま急坂を駆け上がると、鋭く加速しながらフィニッシュ。4ハロン50秒9―11秒2の走りに鞍上は「しっかり一歩一歩動いていて迫力のある動き。比較はつかないですが、すごい馬だと思うし調子はいいと思う」と好感触だ。
10日の香港ヴァーズは無念の出走取りやめとなり、12日に帰国。千葉・白井市のJRA競馬学校での入国検疫後の18日から中山で調整されている。異例のスケジュールだが、藤原調教師は「しっかりと体を動かすイメージで動きは素晴らしかった。あとは信じるだけだし、信じるだけの体調にある」と自信を隠さない。
松山は、パートナーの全兄アルアインと挑んだ17年皐月賞で自身G1初制覇を決め、19年に有馬記念初騎乗(11着)も果たした。思い入れ深い血統馬での挑戦に、「兄弟でもう一度有馬記念に乗れるのはうれしく思います。しっかりとここで結果を出したい」と力を込めた。(石行 佑介)