【中山11R・ホープフルステークス】追い切り抜群の動き ドウデュースの劇的Vに沸いた有馬記念の前日。同じ中山・芝2500メートルで行われたグレイトフルS(3勝クラス)の勝ち時計、2分32秒0は昨年の勝ち馬イクイノックス(2分32秒4)よりも速く、一昨年のエフフォーリアと同タイムだった。
高速決着が予想された大一番の2分30秒9は、過去10年で19年リスグラシューの2分30秒5に次ぐもの。開催が進み、表面的に荒れた箇所はあったものの、切れ味が生きる馬場コンディションは維持されていた。ちなみに同じく過去10年で最速上がり600メートル33秒4をマークしたのが、14年4着のジャスタウェイ。このドウデュース、リスグラシュー、ジャスタウェイの3頭は同じハーツクライの産駒だ。関東地方は日曜から天候の崩れがなく、同じ馬場傾向であるとすれば、この血脈の爆発力に注意を払っておきたい。
レガレイラが本命。父は初年度産駒の好発進で一躍、ハーツクライの正統後継者に名乗りを上げたスワーヴリチャードだ。今春、北海道のノーザンファーム早来でデビュー前の2歳を取材した際、「父のようなスタミナ型というより、瞬発力を持っているタイプが多い」という話を牧場スタッフから聞いた。先週終了時点で新種牡馬トップの24勝を重ね、京王杯2歳S勝ち馬のコラソンビートを出すなど、証言通りのブレイクを見せている。
本馬は函館のデビュー戦で、のちに札幌2歳Sを勝つセットアップを差し切り、続くアイビーS(3着)では大器ダノンエアズロックをとらえきれなかったが、上がり600メートル1位タイをマークした。毛づやがさえずベストコンディションには届いていなかっただけに、敗戦も仕方なしと判断する。
中間は1週前、直前とも茨城県・美浦トレーニングセンター・Wコースの併せ馬で抜群の動き。休養明けの前走より、状態は確実に数段上がっている。
初めての多頭数競馬は、この秋、変幻自在の騎乗に磨きがかかるルメールなら心配ないだろう。アイビーSのレース後に「どんどん良くなりそう。能力があるし、2000メートルも全然問題ない」とコメントした通り、牝馬のマイルG1・阪神JFは見向きもせずに照準はここ一本。ロングスパートから直線もうひと脚使ったドウデュースのような強じんな末脚で、牡馬たちをなで斬るシーンがあっていい。
馬券は馬連(13)―(1)(6)(9)(11)(16)(10)(15)(18)。
◆牝馬のホープフルS出走 阪神JFを目指すのが一般的で、17年のG1昇格以降は2頭だけ。ともに17年でナスノシンフォニーが5着、リュヌルージュが11着だったが、2頭はオープンでの経験がなかった。牡馬相手のリステッド競走で3着と好走実績があるレガレイラは、今までの牝馬たちとは違う。
2000メートル超連対率75%
◆今年のルメールのG1
全6勝が芝2000メートル以上で、【6321】と驚異の連対率75・0%。さらに中山で【0110】、芝2000メートルも【1120】と、ホープフルSにあてはまる条件での馬券圏内率は100%だ。17年のG1昇格後は【0222】と未勝利だが、有馬記念で3着以内がなかった16番枠からスターズオンアースで2着に入るなど、手綱さばきはさえ渡っている。