1月8日のシンザン記念はノーブルロジャーが鮮やかに差し切り、デビューから2連勝で重賞ウィナーとなった。朝日杯FSを制したジャンタルマンタルも無傷の3連勝で重賞連勝を決めたが、2頭の父であるパレスマリス(牡14歳、父カーリン、母パレスルーマー)への関心はより高まった。
パレスマリスは2013年ベルモントS(米G1)の覇者。早め先頭から後続を寄せ付けないレースでの優勝だった。2014年メトロポリタンH(米G1)は一転、マイル戦で内から差し切り、重賞4連勝で2つ目のG1タイトルを手中にした。今年からダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスで種牡馬となり、種付料は350万円(出生条件)に設定された。
ダーレー・ジャパンの加治屋正太郎ノミネーションマネージャーは「導入を発表した週に、ジャンタルマンタルが朝日杯FSを制し、まさにグッドタイミングでした。パレスマリスはベルモントSの優勝馬ですが、国内外で2歳芝G1馬が誕生しました。自身の活躍した舞台を考えると、想像を超える産駒の活躍には僕らも驚いています」と大喜びだった。
パレスマリスの半弟には昨年の天皇賞・春を制したジャスティンパレス、ステイヤーズSの覇者であるアイアンバローズと、国内長距離での活躍馬もいる。加治屋氏は「芝、ダートはもちろん、産駒は距離の長短も問わない活躍を見せています。生産者の皆さまのニーズに応えられるような種牡馬になることを期待しております」と願っていた。
パレスマリスの産駒では昨年からレックススタッドでけい養用されているストラクター(牡7歳)が、無傷の3連勝で2019年のブリーダーズCジュヴェナイルターフ(米G1)を優勝した経歴がある。そしてパレスマリス産駒の3歳世代は他にメイショウトム(牡3歳、栗東・河内洋厩舎)がダートで勝ち上がり、ブロメリア(牝3歳、船橋・矢野義幸厩舎)が昨年7月に船橋で新馬勝ちを収めている。
日高でけい養される種牡馬は、芝以上にダート系種牡馬の人気がすごい。国内のダート競馬が整備されたことを含め、ダートを走ることができることが、種牡馬の必須条件にもなりつつある。ジャンタルマンタルとノーブルロジャーの活躍のみならず、母系の国内レースとのマッチから期待は膨らむばかりだ。
アメリカの芝、ダートでG1を制したヨシダ(牡10歳、父ハーツクライ、母ヒルダズパッション)とともに、パレスマリスは2月上旬にけい養先のダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスに到着する予定。翌週から始まる予定のオープンハウス(生産者等にけい養種牡馬を展示する催し)でお披露目となる。(競馬ライター)