◆第41回東海S・G2(1月21日、京都・ダート1800メートル)
今年は京都で行われる第41回東海S・G2(21日、京都=1着馬にフェブラリーS優先出走権)では、ヴィクティファルスに芝、ダート両方での重賞勝利が懸かる。
苦難を乗り越えて芝、ダート“二刀流”でのJRA重賞Vへ。ヴィクティファルスは21年にスプリングSを制し、牡馬クラシック3冠に皆勤賞。以降は勝利から見放されていたが、初ダートだった昨秋の太秦Sで2年半ぶりのV。同じ京都・ダート1800メートルの東海Sに参戦となる今回、池添調教師は「早めに入厩させ、しっかりと乗り込めています。気性が課題なので、前走と同じ条件を使いたいと思っていました」と説明した。
年を重ねるごとにイレ込みが激しくなっていたが、昨春に去勢。前回は当日輸送に加えて一日中、担当の平野助手が馬房でずっと付き添っていたことも功を奏した。レース後、手綱を執った池添は「一日で体がメチャクチャ減ってしまう馬ですが、プラス10キロで出せましたからね。それが一番大きかったと思います。ダートで道が見えたと思います」と復活を喜び、同級生の助手にも感謝していた。
初ダートの前走はスタートでつまずいたが、ひるまず適性の高さを示した。トレーナーも「砂をかぶってフワッとするところがありましたが、それがしまいの伸びにつながりました。時計(1分51秒3)も良かったですね」と評価。砂2戦目での上積みは大きく、視界は明るい。(玉木 宏征)
◆芝、ダート両方での重賞V JRAがグレード制を導入した84年以降では39頭。直近ではハヤヤッコが19年レパードS(ダート)、22年函館記念(芝)を制した。エルコンドルパサー(98年共同通信杯)とゴールデンアイ(95年東京新聞杯)は雪の影響でダート変更になった重賞を勝っている。芝、ダートの両方のG1を勝った馬は、クロフネ(01年NHKマイルC、同ジャパンCダート)など5頭いる。