◆第58回共同通信杯・G3追い切り(7日、栗東トレセン)
今週末に行われる3重賞の追い切りが7日、東西トレセンで行われた。第58回共同通信杯・G3(11日、東京)に出走する昨年の最優秀2歳牡馬ジャンタルマンタルは、3歳初戦を前に万全の伸び脚を披露。第117回京都記念・G2(11日、京都)はプラダリア、第59回クイーンC・G3(10日、東京)はサクセスカラーが「状態◎」の動きを見せた。
王者の余裕を示した。ジャンタルマンタルは栗東・坂路で単走。ゆったりとした雰囲気で駆け抜けたが、ゴールが近付くにつれて自然と勢いを増した。乗り手の手綱はほぼ動かないまま、55秒6―11秒9と驚異の伸び脚。高野調教師は「全く無理せず、いい動き。仕上がりは問題ないです」と笑みを見せた。
先週は川田を背に、坂路で52秒4―11秒6。その後は、気持ちを高ぶらせすぎないように意識した。「心身の負荷は必要ない。オフでいいよ、という調整をしてきた」と高野師。最終追いを終え、「調教前も後も、のんびりしていました。キリキリしていないし、いい表情をしています」と愛馬の利発ぶりに目を細めた。
デビューから無敗の3連勝で朝日杯FSを制覇。早め先頭で押し切り、力の違いを見せつけた。「強い馬じゃないとできない競馬」と指揮官。既に完成度は高かったが、「ここが天井かと言うと、そうは思わない。メリハリのある肉体になった」と伸びしろも強調した。
今回は東京、左回り、前日輸送が初めてで、1800メートルも新馬戦以来。高野師は「皐月賞と、その先の東京のG1が目標。試すというよりは、どういう姿で競馬に出てくるか確認したい」と意図を明かした。「無敗のチャンピオンとして負けられないし、もちろん負けたくない。穏やかに走ってくれれば、おのずと結果が出るのでは」。闘志を燃やしつつも、堂々とライバルを迎え撃つ。(水納 愛美)