◆第58回小倉大賞典・G3(2月18日、小倉・芝1800メートル、良)
第58回小倉大賞典は18日、小倉競馬場の芝1800メートルで行われ、単勝3番人気のエピファニー(杉原)が直線で差し切り、1馬身差の完勝で重賞初タイトルをつかんだ。
追えば追うほど力強さが増していく。最後の直線。エピファニーが馬場の真ん中から一気に伸びてきた。大逃げで場内を湧かせた今村騎乗のセルバーグをラスト50メートルでかわし、先頭に立った後も勢いは鈍らない。全く危なげない走りだった。
「気持ちよかったです。本当にスムーズな競馬ができました」。そう笑顔を浮かべる杉原を「男になりましたね」と満足そうに見つめるのが宮田調教師だ。20年の開業当初から調教を手伝ってもらい、栗東滞在だった今回も現地まで駆けつけてくれた。「誠人と一緒に重賞を取れたのがうれしい」と満足そうにうなずいた。
母のルールブリタニアは助手時代に所属した国枝厩舎の牝馬。昨秋のエリザベス女王杯を制したブレイディヴェーグと同じく、師匠が大事に育てた馬の子で結果を出した。「国枝先生には感謝しています。今後は状態を見てから考えたい」。人の絆でつかんだ大きな一勝をさらなる飛躍の足がかりにする。(山本 武志)
◆エピファニー 父エピファネイア、母ルールブリタニア(父ディープインパクト)。美浦・宮田敬介厩舎所属の牡5歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算14戦6勝。重賞初制覇。総獲得賞金は1億3516万6000円。馬主は(有)シルクレーシング。