【サウジC】BCクラシック2着デルマソトガケに追い風、サウジの砂は「米国に似てる」

ルメールを背に追い切ったデルマソトガケ(提供・土屋真光氏)
ルメールを背に追い切ったデルマソトガケ(提供・土屋真光氏)

◆第5回サウジC・G1追い切り(21日・キングアブドゥルアジーズ競馬場)

 【リヤド(サウジアラビア)21日=ペン・カメラ、松末守司】世界最高の優勝賞金1000万ドル(約14億1400万円)を誇るサウジカップ・G1に出走する日本勢が、会場のキングアブドゥルアジーズ競馬場で追い切り。ウシュバテソーロ、レモンポップの両雄に劣らぬ気配を見せたのがデルマソトガケ。昨年とは異なるダートの砂質の違いも追い風になると分析。この日から現地で精力的に取材に動いた「松末が見た」。

 ダートの本場、米国を驚かせたデルマソトガケが、今度は中東の地でも存在感を見せつける。灼熱の砂漠にあっても、早朝7時の当地は2月ということもあって涼しいが、ダートコースに姿を見せると空気が一気に熱を帯びた。主戦のルメールを背に、単走で気持ちよさそうに駆け出し、軽快なリズムを刻みスムーズに加速。直線は軽く促されるとスッと伸びてフィニッシュした。

 輸送中に他馬にかまれ、右の顔が腫れるアクシデントがあったと音無調教師は会見で衝撃事実を告げたが、鞍上は「すごくいい感じだったし、馬の状態はばっちり。直線も無理せず伸びてくれた。普段は単走で物見したりするけど、今日は自分から動いていた。大人になった」と納得。師も「動きは良かったし、今朝は顔も腫れていないし、目の影響もなかった」とフィジカル面での状態は文句なしで整えられている。

 馬場を味方にする。当地では「昨年とは馬場が違う」の声が各陣営から聞こえてきた。管理する音無調教師も「(サウジダービー3着の)昨年とは違うね。前回は色々なものが混じっていたけど、今年は山砂。重く感じる。米国の馬場により似ているんじゃないかな」と分析。昨年4戦すべてが海外、UAEダービーを制するなど異国の地での適性の高さは証明済み。スピードにパワーを兼備した同馬にとって、BCクラシックで2着に入った、最適に近い舞台に様変わりしたことは強調材料だ。

 米国からBCクラシックで後じんを拝したホワイトアバリオ、ペガサスワールドC1、2着馬、日本からもレモンポップ、ウシュバテソーロと豪華メンバーがそろった一戦。一昨年、サウジCデーで5戦4勝(3着1回)と大暴れしたルメールは、「馬場は合いそう。ベストチャンスはソトガケ」と強敵相手にもきっぱり言い切った。アクシデントを乗り越え、世界の頂点に立ってみせる。

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