【報知杯FR】11番人気の伏兵が22年ぶり逃走劇で桜花賞切符!藤岡佑介騎手「相当自信はありました」

逃げ切り勝ちしたエトヴプレ(カメラ・高橋 由二)
逃げ切り勝ちしたエトヴプレ(カメラ・高橋 由二)

◆第58回報知杯フィリーズレビュー・G2(3月10日、阪神競馬場・芝1400メートル、良)

 桜花賞トライアル、第58回報知杯フィリーズレビュー・G2は10日、阪神で行われ、11番人気のエトヴプレ(藤岡佑)が逃げ切って重賞初制覇。2着コラソンビート、3着セシリエプラージュまでが優先出走権を獲得した。勢力図が見えてきた本番を、ヤマタケ記者が「占う」。

 スピードで圧倒した。エトヴプレは2馬身ほどのリードを保ち、先頭で直線へ。藤岡佑が手綱を動かすと、ダイナミックな伸び脚で応えた。断然1番人気のコラソンビートが猛然と迫るが、脚いろは全く衰えない。3/4馬身差で強敵を退け、単勝11番人気で重賞初勝利。鞍上は「ハナに行ってじっくり追い出せたぶん、最後の1ハロン止まらずに伸びました」とたたえた。

 逃げは想定しておらず、押し出される形で先頭へ。前半3ハロン33秒8と速めの流れだったが、藤岡佑は「このペースなら粘れる」と冷静にエスコートした。02年サクセスビューティ以来の逃走V。これまでの全5戦が1200メートルだったが、距離延長にも見事に対応した。

 藤岡調教師との親子タッグでの重賞勝ちは、22年の札幌記念以来。中京競馬場で見守った父が「状態は一番いいと思っていた」と言えば、息子も「状態はかなり上がってきていたので、相当自信はありました」。親子ともに、伏兵に甘んじるつもりはなかった。

 指揮官は「権利を取ったので、桜花賞に向かうことになると思う」と明言。未経験のマイルについて、藤岡佑は「1400メートルでギリギリ」と冷静に評価する。それでも、G1・3着馬を振り切っての勝利は価値が高い。桜の決戦でも、自慢の快足を見せつける。(水納 愛美)

 ◆エトヴプレ 父トゥーダーンホット、母ナフード(父クロドヴィル)。栗東・藤岡健一厩舎の牝3歳。愛国・ゴドルフィンの生産。通算成績は6戦3勝。重賞初制覇。総獲得賞金は8243万5000円。馬主はシェイク・ハムダン氏。

 <2歳女王アスコリピチェーノが桜も中心>

 過去5年の桜花賞勝ち馬5頭中3頭がその年の初戦で、他の2頭も2か月近く間隔を空けた馬。近年はフレッシュな馬が活躍する傾向が強い。

 今週で終了した3つのトライアルのうち、勝ち馬2頭が昨年末の阪神JF出走組。報知杯FRも2着に同レース3着のコラソンビートが入った。勝ち時計も翌週の朝日杯FSより1秒2も速かった昨年の2歳女王決定戦。メンバーレベルは高かったと考えていい。

 ならば、素直に3戦3勝で頂点に立ったアスコリピチェーノが最も「桜冠」に近い存在か。予定通りの本番直行で、すでに美浦で調整も開始している。首差2着でやはり直行予定のステレンボッシュも侮れない存在だ。

 別路戦組ではアルテミスSの勝ち馬で、まだ底を見せていないチェルヴィニアか。いずれにせよ、今年の3歳牝馬戦線は関東馬を中心に回ることになる。(山本 武志)

最新記事

さらに表示
ニュース検索
馬トク SNSアカウント
  • X (旧Twitter)
  • facebookページ
  • Instagram
  • LINE公式アカウント
  • Youtubeチャンネル