【阪神大賞典】長距離界の帝王へ5馬身差圧勝 天皇賞・春で2年前の雪辱果たす

天皇賞・春の主役候補に躍り出たテーオーロイヤル(カメラ・高橋 由二)
天皇賞・春の主役候補に躍り出たテーオーロイヤル(カメラ・高橋 由二)
テーオーロイヤル(左)が5馬身差の圧勝
テーオーロイヤル(左)が5馬身差の圧勝

◆第72回阪神大賞典・G2(3月17日、阪神・芝3000メートル、稍重)

 阪神メイン、第72回阪神大賞典・G2は2番人気のテーオーロイヤルが5馬身差の圧勝で長距離重賞3勝目。天皇賞・春(4月28日、京都)の優先出走権を手にした。

 現役最強ステイヤーの座に王手をかけた。テーオーロイヤルの勝ちっぷりは、そう断言できるほど鮮やかで力強かった。雨が降りしきる仁川の直線。重くなった馬場をものともせずに、最後まで伸び続けて5馬身差の圧勝。菱田は開口一番「めっちゃ強い!」と興奮を抑えきれない。「この馬場、この距離で、全くスピードが衰えることなく走り切ってくれたことはすごい」とパートナーへの賛辞を並べた。

 国内外の長距離路線で結果を出してきたライバルたちを一蹴した。発馬を決めると、折り合いもスムーズに道中は3番手。ペースアップした4コーナー手前で、他馬の手綱が激しく動くなか、持ったまま抜群の手応えで直線を向いた。満を持して鞍上がゴーサインを出すと、あとは後続との差を広げる一方だった。

 「予報より早く雨が降って、あまり重い馬場の経験がなかったのでどうかと思いましたが、払拭してくれました」と菱田。「跳びがきれいなので心配したけど、強い勝ち方だった」と岡田調教師も口をそろえた。22年のジャパンC後、放牧中に骨折が判明。1年の休養を経て復帰3走目となったダイヤモンドSで復活星。この中間、陣営は「もう一段上がった」とさらなるパワーアップを伝えていたが、レースで証明した。「馬体重は変わっていないけど、見た目が充実して大きく見せる」とトレーナーも目を細めた。

 ダイヤモンドSに続く連勝で、3000メートル以上の重賞3勝目。次に見据えるのは頂上決戦、天皇賞・春だ。「結果を出したい」と菱田。岡田調教師も「菱田も自信を持っていけると思う」とうなずいた。悲願の師弟コンビでのG1初制覇。無尽蔵のスタミナを誇るテーオーロイヤルと、3着だった2年前の忘れ物を取りにいく。(戸田 和彦)

 ◆テーオーロイヤル 父リオンディーズ、母メイショウオウヒ(父マンハッタンカフェ)。栗東・岡田稲男厩舎所属の牡6歳。北海道浦河町・三嶋牧場の生産。通算17戦7勝。総獲得賞金は2億9448万6000円。主な勝ち鞍は22、24年ダイヤモンドS・G3。馬主は小笹公也氏。

 ◆芝3000メートル以上の平地重賞を4勝以上した馬 現在は年間にダイヤモンドS(東京・3400メートル)、阪神大賞典(阪神・3000メートル)、天皇賞・春(京都・3200メートル)、菊花賞(京都・3000メートル)、ステイヤーズS(中山・3600メートル)の5レース。1984年のグレード制導入後では、最多が5勝(メジロマックイーン、ゴールドシップ)、4勝(スルーオダイナ、アルバート)の4頭のみ。

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