◆高松宮記念追い切り(20日・美浦トレセン)
第54回高松宮記念(24日、中京)の追い切りが20日、東西トレセンで行われた。馬トクスタッフの総合ジャッジで動き1位のG評価を得たのが、ソーダズリング。栗東・坂路で50秒9をマークし、武豊が「抜群」と絶賛する動きを披露した。ウインマーベルも前走からの上昇度で動き2位にランクインした。
重賞2連勝中のウインマーベルが、満点デモを披露した。追い切りは、美浦・Wコースでグリントリッター(3歳1勝クラス)を5馬身追走からスタート。手綱は持ったまま、ぐいぐいと前へ、前へと向かうと、直線は軽く促しただけでスッと伸びて5ハロン67秒2―11秒2で楽に半馬身先着した。
同コースでハードに追われた13日の1週前追い切り(5ハロン67秒3―11秒5)、17日の日曜追い切り(6ハロン79秒6―11秒4)から、さらに上昇度を示し、文句なしの態勢に整えられてきた。深山調教師は「もうできているので無理しないようにやりましたが、その中でもしまい11秒2が出たし、競馬に向けてしっかりできたかな。厩舎としては満足できる仕上がり」と納得の表情を浮かべる。
この動きの良さが、まさに成長の証しだ。以前は「調教は動かない」が代名詞だったが、2走前の阪神C前に頭の高い走法の修正を図り、課題だったゲートも駐立の姿勢を両脚で踏ん張るように。すると、阪神Cに続き、前走の阪急杯でも苦手の重馬場を克服して重賞連勝と、まさに充実期を迎えている。トレーナーは「最近はしっかりハミを下にとって行くような走りに変わってきた。昨年の気性的な成長も含めてそこにつながっている」と手応えを感じ取る。
6ハロン戦への距離短縮だが、3歳時のスプリンターズSで2着とスピードが通用することは証明済み。中京も3歳時に橘S、葵Sを連勝と舞台に不足なし。初のG1取りがかかる一戦だが、深山師は「そんなふうになりたいとは思っていますが、僕の仕事は馬をしっかりつくるだけ」と泰然自若。機は熟した―。悲願をたぐり寄せる。(松末 守司)