◆第84回皐月賞追い切り(10日・栗東トレセン)
第84回皐月賞・G1(14日、中山)の追い切りが10日、東西トレセンで行われた。11日に枠順が発表される。
復権への強い思いがほとばしっていた。ジャンタルマンタルは栗東・坂路を単走。楽な感じで上がっていたが、ラスト1ハロン過ぎに手綱を動かされると瞬時にギアを上げた。太い前肢を大きく前へ出すと、勢いが一気に増す。急勾配でもトップスピードだったのは、この日最速タイだったラスト1ハロン11秒7の数字が示す通り。3ハロン目までの13~14秒台からメリハリを利かせ、54秒0をマークした。
高野調教師は「短い区間でも全身を使う期間を作りたいと思っていました。これで大丈夫だと思います」とうなずいた。前走の共同通信杯は前半5ハロンが62秒7の超スローペースで力む場面。それでも好位で我慢させた。「ジョッキーが次走を見据えた乗り方をしてくれました」と高野師。すべては皐月賞のため―。昨年の最優秀2歳牡馬の初黒星にも悲壮感はない。
中間は今までと同じように短期放牧。「(帰厩時に体の)張り、つや、皮膚の薄さ。すべていいと感じました」とリフレッシュ効果に手応えを深め、仕上げを進めていった。「しっかり力を発揮できる状態にもっていきたい」とトレーナー。万全の態勢で王者の輝きを取り戻す。(山本 武志)