阪神競馬場などで多くのファンが藤岡康太騎手にお別れ 兄・佑介騎手「少しずつ気持ちの整理がついてきました」

黙とう後、悲しみに暮れる(左から)藤岡佑、武豊、和田竜
黙とう後、悲しみに暮れる(左から)藤岡佑、武豊、和田竜

 藤岡康太騎手(享年35)が落馬事故で10日に亡くなってから初めてのJRA開催日となった13日、阪神競馬場で兄・藤岡佑介騎手(38)が取材に応じ、「昨日(12日)家族で無事に見送ることができ、少しずつ気持ちの整理がついてきました」と心境を明かした。

 仲のいい弟とは突然の別れになったが、「生前から康太と、お互いの馬にのっかかることがあるかもしれない、と話していたので、受け入れられるのは早かった」と気丈に、しっかりと報道陣ひとりひとりを見ながら話した。

 藤岡佑騎手は悲しむ競馬ファンの気持ちにも触れ、「楽しめていたことができなくなるのは康太の本意ではないので、変わらずに楽しんでください」と目を潤ませながら呼びかけた。

 半旗が掲げられたこの日の阪神競馬場は、開門時刻が8時45分に早まった。記帳台とともに場内に設置された献花台には、多くのファンが色とりどりの花を持参し、手を合わせた。涙ぐむファンの姿もあり、藤岡康騎手が多くの人に愛されていたことを感じさせた。中山、福島を含め、献花は3012件、記帳は4381件だった。

 1Rの本馬場入場前には騎手が集まり、事故のあった3コーナーの方向を向いて1分間の黙とう。騎乗した騎手全員が喪章を着用し、場内で配布されたレーシングプログラムにも弔意が掲載された。中山競馬場でもウィナーズサークルで騎手ら関係者が黙とうをささげた。悲しみのなか、それぞれが故人をしのび、前を向こうとしていた。

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