JRA海外馬券発売対象の第150回ケンタッキーダービー・米G1は現地時間4日(日本時間5月5日7時57分発走予定)、チャーチルダウンズ競馬場のダート2000メートルで行われる。過去に日本調教馬6頭が挑み、敗れてきた米3冠初戦に今年は日本から無敗馬2頭が挑戦。無傷5連勝中のフォーエバーヤングの手綱を執る坂井瑠星騎手(26)=栗東・矢作厩舎=がコラム特別編で「最大目標」への熱い思いを明かした。
いよいよ今週はケンタッキーダービーです! もう、楽しみしかありません。先週はチャーチルダウンズ競馬場に滞在し、フォーエバーヤングの調教に乗っていました。サウジアラビア、ドバイと使ってきて、まだドバイの疲れが残っているかな、というところ。それでも、予定通りのメニューはこなせています。1週前追い切りを併せ馬でしっかりやったことで、良くなってきてほしいですね。
新馬の頃は、正直ここまでの馬とは思っていませんでした。世界を意識しだしたのは、2戦目のJBC2歳優駿を勝ったぐらい。3戦目の全日本2歳優駿のときは、レース、調教の段階からサウジ、ドバイ、アメリカというローテーションを見据えていました。
最大目標はケンタッキーダービー。そこで戦うには、前半からポジションを取りに行って、スピードに乗せる。そして、最後までしっかり脚を使うことが求められます。本来、この馬のリズムならもう少し後ろからですが、そこは全日本2歳優駿から心がけていました。調教で言えば、どこのコースでも乗れるようにしてきましたね。普段、矢作厩舎は坂路がメインですが、CWコースも多めに乗っていました。
去年【注1】は、もう一生来ることがないかもしれない、と感じていました。それぐらい、すごいレース。スタンドから「いつか乗りたいな」と思いながら、レースを見ていました。雰囲気も独特で、圧倒されましたね。まさか、その次の年に戻ってこられるとは、という気持ちです。
現地でのケンタッキーダービーの盛り上がりは、日本の大きなレースとは全然違います。海外メディアからの取材も、半端じゃない数。朝の調教から、たくさんのお客さんが見に来ています。空港にもケンタッキーダービーの看板があり、町中にも出走馬の写真やポスターが飾られています。食事をしていても、写真やサインを求められました。
今回は挑戦者。フォーエバーヤングがどこまで通用するのか楽しみです。ケンタッキーダービーに行くにあたっては、これ以上ない経験を積んでこられました。今回は、その集大成だと思って挑みます。(JRA騎手)
【注1】コンティノアールで挑戦予定だったが、米国到着後に左後肢の歩様が乱れ、出走取消となった。