【ヴィクトリアM】横山典弘騎手が最年長G1勝利なるか 同じ86年に騎手デビューした開業22年目の調教師は全幅の信頼

武藤調教師は自信の仕上げでモリアーナを送り出す(馬上は武藤雅騎手、カメラ・荒牧 徹)
武藤調教師は自信の仕上げでモリアーナを送り出す(馬上は武藤雅騎手、カメラ・荒牧 徹)

◆第19回ヴィクトリアマイル(5月12日、東京・芝1600メートル)追い切り=5月9日、栗東トレセン

 古馬牝馬のマイル女王決定戦の第19回ヴィクトリアマイル・G1(12日、東京)の出走馬が9日、確定した。モリアーナを送り込む武藤善則調教師(57)=美浦=は、同じ86年に騎手デビューの横山典弘騎手とのコンビでG1初制覇を目指す。

 ともに86年に騎手デビューした横山典とのコンビで、開業22年目の武藤調教師がG1初制覇に挑む。トレーナーが「モリちゃん」の愛称で呼ぶモリアーナ。5日に岡部幸雄氏を超える歴代2位の通算2944勝を記録した名手に全幅の信頼を寄せ、バトンを託す。

 今年は不良馬場のアメリカJCC(4着)で始動。強豪牡馬が相手のタフな一戦で健闘し、阪神牝馬Sへ。昨年のNHKマイルC(6着)以来の1600メートルだったが、最速タイ32秒9の上がりを繰り出して3着になった。「レース後に典さんから『ちょっと重かったかな』と言われたけど、前走後に疲労があったぶん、そう感じたのかも」と意見を受け止めて態勢を整えてきた。

 その後は順調そのもので「こんなにパンプアップするのかと思うほど、たくましくなった。今がピークだと思う」と軽快な口調から充実ぶりが伝わる。さらに今回は重賞初制覇を飾った紫苑S以来、1週前、当週と2週続けてジョッキーの武藤が追い切りに騎乗。1週前は美浦・Wコースで6ハロン80秒7―11秒3と好時計だったが、「手前を替える時が少しモサッとしていた。前週との比較をしてもらいたいと典さんから(武藤)雅に話があったみたい」と説明した。

 8日の最終追い切りでは全体時計を6ハロン87秒6(5ハロン69秒4)にセーブしながらも呼吸はピタリ。手前の替え方も実にスムーズでラスト11秒4と鋭かった。指揮官は「速くならなければいいと思っていたので、うまく乗ってくれた。普段は辛口の雅も『先週よりバランスが良く、息の入りも良かった。完璧』。明らかに良くなったのが分かった」。横山典のリクエストに応えた調整で、最高潮の出来となった。

 武藤師は「大一番に強いジョッキーなので、やってもらいますよ」と気合。武豊が持つG1最年長勝利記録の更新がかかるレジェンドと迎える歓喜の瞬間を、心待ちにする。

(浅子 祐貴)

 ◆武藤 善則(むとう・よしのり)1967年3月21日、神奈川県生まれ。57歳。82年にJRA競馬学校騎手課程の1期生として入学し、86年3月に騎手デビュー。JRA通算154勝(うち重賞1勝)を挙げ、01年に現役引退。03年3月に美浦で開業し、JRA通算345勝(うち重賞4勝)。娘は歌手の武藤彩未で、息子はJRA騎手の武藤雅。

 ◆最年長G1勝利 昨年の有馬記念(ドウデュース)を制した武豊の54歳9か月10日。横山典が勝てば、56歳2か月20日で記録更新となる。なお、武豊はG1当日が55歳1か月28日で、自身の記録更新がかかる。

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