◆第91回日本ダービー・G1(5月26日、東京競馬場・芝2400メートル)
第91回日本ダービー・G1(26日、東京)で、戸崎圭太騎手(43)=美浦・田島厩舎=は皐月賞馬ジャスティンミラノと初勝利を目指す。過去2着2回と、あと一歩で届いていないダービージョッキーの勲章。10度目挑戦での悲願達成へ「期待に応えられる馬」と自信をにじませた。
1分57秒1という驚異のコースレコードで皐月賞を制したジャスティンミラノ。戸崎にとっては会心の勝利であり、次を意識できるパフォーマンスでもあった。
「能力があるのは分かっていたのですが、右回り、今までと全く違うペース、4つのコーナー、ゲートと色々とクリアしないといけないところがあると思っていました。結果、3~4コーナーで手応えが怪しくなったのはコーナー4つの部分だったかなと思っていますが、それ以外はクリアしてくれました」
初騎乗の10年(トゥザグローリー=7着)から今年で自身10度目のダービーとなる。キャリアを重ねながら、大一番への思いも変化してきた。
「以前はそこまで特別視しなかったのですが、JRAに移籍して色々と触れて経験したことで、今は重みを感じているところです。2着になると余計に勝ちたい気持ちも強くなりますしね」
皐月賞馬で挑んだ18年のエポカドーロ、翌19年のダノンキングリーは皐月賞3着から挑んで、2年連続の2着だった。
「(2頭とも)距離の不安があったなかで本当によく頑張ってくれたと思います。ジャスティンミラノはゆったりしたフットワークなので皐月賞よりダービーの方が条件はいいと思っています」
舞台が好転して期待が膨らむ今年は、心境もこれまでと違う。この馬を強くしてくれた藤岡康太騎手への思いは、日に日に強くなっている。
「僕の勝手な思いですけど、康太と一緒に戦っている、戦えるのはすごく心強く感じています。勝ったら康太も喜んでくれると思うし、康太と一緒にダービージョッキーに、と思っています」
東京は共同通信杯でG1・2勝馬ジャンタルマンタルを負かして重賞初制覇を飾ったコース。輸送も経験済みで調整も順調。現時点で死角はない。
「期待に応えられる馬ですし、あとは僕が結果を出すだけ。強い気持ちで臨みたいです」
ステレンボッシュで挑んだオークスは2着。息つく暇もなく、20年コントレイル以来となる史上8頭目の無敗2冠に向けての戦いがスタートした。(西山 智昭)