【日本ダービー】外国産馬初制覇で凱旋門賞参戦へ 矢作調教師「弾んでいたね。はるかに良くなっています」

弾む動きで気配一変のシンエンペラー
弾む動きで気配一変のシンエンペラー

◆日本ダービー追い切り(22日・栗東トレセン)

 第91回日本ダービー・G1(26日、東京)に向けた追い切りが22日、東西トレセンで行われ、シンエンペラーは管理する矢作芳人調教師(63)=栗東=が力強く上昇をアピール。 

 夢のままでは終わらせない。日本ダービー・G1(26日、東京)を前に、シンエンペラーは全兄のソットサスが勝っている凱旋門賞の一次登録を行った。「いい競馬をすれば行くつもりです。俺の凱旋門賞に対する考え方は3歳で行きたい。デビュー前から先々は戻ってこようと思っていました」と矢作調教師。自らの目でほれ込み、フランスの1歳セールで210万ユーロ(当時で約2億8000万円)で落札した。大事に育ててきた愛馬に寄せる期待は大きい。

 夢を現実へ変える態勢は整いつつある。22日の最終追い切りは栗東・坂路で単走。54秒4―12秒4。時計的には決して目立たないが、非常に軽い脚取りに何度もうなずいた。「弾んでいたね。今回は皐月賞とは全く違う。はるかに良くなっています」。昨年11月の初陣は今回と同じ東京を選択。その後も好戦を続けていたが、「新馬が一番状態がよかった」と何度も口にしてきた。しかし、今回は違う。「新馬ぐらい、いや、それ以上かもしれない。東京で強い競馬ができている点にも期待したいね」と期待を膨らませる。

 外国産馬15頭目の挑戦で初のダービー制覇がかかる一戦。「初物尽くし、大好きですから」と笑うトレーナーは言葉を続ける。「いずれ、以前のように外国産馬の強い時代がまた来ると思っている。そういう意味で名前が残ればね」。ケンタッキーダービーに挑んだフォーエバーヤングと同じ藤田晋オーナーとのコンビでもある。「オーナーには『(秋に)予定立てないとね』と言われていますよ。今回のダービーが試金石になると思う」。歴史的な勝利で3歳馬の“エンペラー”となり、夢の扉を開ける。(山本 武志)

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