
◆第74回安田記念・G1(6月2日、東京・芝1600メートル)
第74回安田記念・G1(6月2日、東京)で06年ブリッシュラック以来の外国馬Vを狙う香港のG1・7勝馬ロマンチックウォリアーが28日、東京競馬場の芝コースで併せ馬を行い、圧巻の動きを見せた。昨秋のマイルCS4着で香港帰りのエルトンバローズも当地で順調に調整されている。杉山晴厩舎は昨年4着のガイアフォースとともにビッグタイトルを狙う。
昨秋、3歳馬ながらマイルCSで僅差の4着に好走したエルトンバローズ。前走の香港G1、チャンピオンズマイル(8着)の後は競馬学校(千葉県)での輸入検疫を終え、7日から東京競馬場の国際厩舎に入り、調整している。
杉山晴調教師「マイルCSの後に、香港から安田記念というイメージはできていました。他にレースもありませんから」
海外から帰国した動物は輸入検疫の後に着地検査【注】があるが、JRAの内規でトレセンへの入厩は不可。ただしG1出走の場合は特例で、競馬場で着地検査が可能だ。
杉山晴師「(東京競馬場では)ダート調教しかできないので、天候に左右されます。ダートコースで円運動やフラットワークをして、工夫しています。最終追い切りだけ芝コースを使えます」
モーリスも同じパターンで16年の安田記念で2着だったが、外国馬とも、開催日に出走する日本馬ともすれ違うことなく、常に一頭で過酷な環境だ。
杉山晴師「おとなしいし、エルトンなら乗り越えてくれると信頼しています。実際、入厩して1週間で慣れました。今回のメリットとして、輸送がないのはいいですね」
1週前の22日はダートコースで西村淳が騎乗して6ハロン84秒2―11秒8、26日も半マイルから追い切りを消化した。スタッフも2人態勢をとる。
杉山晴師「何かあった時に、2人ならリカバリーできますからね。22日は、その前が多少もたもたしたのでビッシリやりました。動きは良く、時計的にも動けています」
今年は中山記念(7着)、香港と道悪に泣かされ続けているが、昨秋の毎日王冠ではソングライン、シュネルマイスターといったG1馬を退けた。
杉山晴師「マイルCSは王道の競馬で負けて強しでしたからね。香港の経験が必ずプラスになるし、もう一度大きな舞台で戦わせたいという思いです。何とか良馬場でやりたいですね」
【注】着地検査の期間は渡航先の国、滞在期間によって違うが、今回は3週間。
<厩舎2頭出しガイアフォースも順調>
○…杉山晴厩舎のもう一頭、ガイアフォースはこの日、長岡を背に栗東の角馬場から坂路に移動し、リラックスして駆けた。15日は坂路で51秒0―11秒9の自己ベスト。杉山晴師は「前走後、骨りゅうで少し緩ませましたが、2週前から動けていますからね。後はバランス、コンディションをメインに整えていきます。パンパンの良馬場でやれれば」と、僅差の4着だった昨年以上の結果を期待する。