69歳の国枝調教師が新たな“野望”に向けて精力的に調教騎乗 「新しくなった坂路に乗ってみたいからね」

厩舎周りの運動で管理馬にまたがる国枝栄調教師(カメラ・坂本 達洋)
厩舎周りの運動で管理馬にまたがる国枝栄調教師(カメラ・坂本 達洋)

 2026年春に定年引退を控える大ベテランの国枝栄調教師(69)=美浦=が、新たな“野望”に向けて動き出している。6月7日の朝は自ら2頭の調教にまたがり、厩舎周りの乗り運動やスタンド前や坂路下の角馬場でダクを行うなど精力的に汗を流した。

 この春も桜花賞に向けて栗東トレセンに滞在していたステレンボッシュ(牝3歳、父エピファネイア)の乗り運動を人手が足りないため手伝うことはあったが、ホームの美浦トレセンで調教に騎乗することは久しくなかった。トレーナーに狙いを聞くと、「(昨年10月に完成した)新しくなった坂路に乗ってみたいからね。能書きを言うだけじゃなくて」と明かして、ホースマンの血が騒ぎ、自ら感触を確かめてみたくなったという。

 指揮官の記憶をたどると、自身が本格的に調教に騎乗したのは、2010年の牝馬3冠に輝いたアパパネの母でも知られるソルティビットが栗東に滞在した当時以来として、約20年ぶりになるという。この日も同世代や後輩の調教師から声をかけられる場面も多く、注目を集めている様子だ。「(定年まで)あと少し。やろうと思えば、当たり前だけど今しかないからね。今のところ体力は大丈夫だし、いざやっていけば面白い発見があると思う。根本にあるのは馬のためだから、周りに迷惑をかけないようにやるのは当然だけど」と、飽くなき探究心をのぞかせた。

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